わずか2日で「学長署名入りの声明文」が出た

すると、6月9日、カイロ大学学長のモハメド・オスマン・エルコシト氏署名入りの声明文が、駐日エジプト大使館のフェイスブックに載った。小島氏は、「こんなに早くカイロ大学が対応してくれたの?」と驚いたという。

「私が『カイロ大学に証明して貰えばいい』と提案したのが、六日の夕方。七日の朝に小池さんから文面や宛先について問い合わせのメールが来たのですから、その時点ではカイロ大学とやり取りさえしていないはず。

それなのに、九日には学長のサインのついた『声明文』が大使館のフェイスブックに掲載された。その間、わずか二日。通常、大学の公式声明なら、決裁の手続きもあるだろうし、エジプトとは時差もあるはずなのに……。

ただ、『やけに早いな』と思ったものの、当時は深くは考えませんでした」

小島氏はメディアへの疑問も呈している。

「私はこの時『大手メディアは、大使館のフェイスブックに載っただけで信じるんだ。大学ホームページを調べたり、アラビア語の原文はどう書いてあるかとか、学長への取材などもしないのだろうか。それで済むんだ』と正直、不思議に思いました」

小島氏は、こうした早すぎる対応に違和感を覚えていたが、そんな時、ある人物に出会って衝撃的な事実を知ったというのだ。

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「文案を小池さんに頼まれ、私が書いたんです」

「その人物、A氏は元ジャーナリストで表には出ていませんが、小池さんのブレーンの一人で、私とも旧知の間柄でした。A氏は私に言いました。『実は駐日エジプト大使館のフェイスブックに上げられたカイロ大学声明は、文案を小池さんに頼まれ、私が書いたんです』と。(中略)そして、A氏は、更にこう言いました。

『声明文は、私が日本語で書いた文案を書き換えたものを英訳、カイロ大学の声明文として学長のサインをつけて発表したものです。時間が限られていたのでそれしか方法がなかったんだと思います。当時は私も、彼女は卒業していると思っていたから原案を書いたし、気軽に「エジプト大使館のHPに載せればいい」などと助言しました。

結果、エジプト政府も認めている形となり、メディアはこの問題を取り上げなくなった。今となっては忸怩たる思いです。このことは、どこかで明らかにするべきではないか、そう思ったりもしています』」