有価証券報告書ならではの見どころは3箇所
次に「有価証券報告書」ですが、基本は財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を必ずチェックすること。そのうえで、有価証券報告書には、決算短信に比べてかなり詳細な情報が記載されているので、その見どころを3つ紹介しておきましょう。
(1)注記事項
まず注記事項です。決算短信や有価証券報告書に掲載されている損益計算書の勘定科目のひとつに、「販売管理費(販売費及び一般管理費)」があります。
販売管理費にはさまざまなものがありますが、損益計算書には、これらすべての費用がひとまとめで記載されます。つまり、何にいくらかかったのか、という内訳がわからないのです。それを補うために、有価証券報告書には「注記事項」という項目があり、そこに販売管理費の主な内訳が記載されています。
これを見ることで、何に最もコストがかかっているのかがわかるので、おおまかにではありますが、会社のコスト構造をうかがい知ることができます。
「設備の状況」から見えてくる会社の戦略
(2)設備の状況
業種にもよりますが、設備投資型の会社であれば、有価証券報告書の「設備の状況」という項目に注目してみてください。
ここには、現在どのような設備を保有しているのか、新たに計画している設備投資計画では、どのような設備にいくら投資しようと計画しているのかも記載されています。経営方針と照らし合わせれば、設備投資の戦略も、なんとなく見えてくるはずです。