企業について調べるとき、投資のプロはどうやっているのか。公認会計士の川口宏之氏は「IR資料でもっとも読みやすいのは決算説明会資料だ。これを読めば会社の全体像がイメージできるようになる」という――。

※本稿は、川口宏之『有価証券報告書で読み解く 決算書の「超」速読術』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

有価証券報告書を全部読むのが面倒なら「決算説明会資料」

ほとんどの上場企業のホームページには、株主や投資家に対して財務状況を公表するIR資料が掲載されています。IRとは、「Investor Relations」の略称で、「投資家向け広報活動」などと言われています。会社の経営状態や財務状況、決算内容、将来的な見通しなども含めて、投資家がその会社に投資するにあたって必要とされる、さまざまな情報を公平に開示することです。

それらの資料を読めば、その企業の姿がわかります。

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しかし、IR資料のメインとなる有価証券報告書は、100~200ページ近い分量があるため、情報量が多いうえ無味乾燥な文章や数字の羅列で理解しにくいという人もいるでしょう。

そんな人におすすめのIR資料が「決算説明会資料」です。

決算書を読む際に補助的に使えるため、本稿ではそれらについて解説しましょう。