地理の勉強をして「できるようになった」は大間違い
ちなみに自分は深く反省し、「どうして先端技術産業では水を使うのか」について実際に深く調べてみました。するとその理由は、「埃やゴミなどが大敵で、それを水で洗い流しているから」だったのだとわかりました。
例えばICチップの工場に行くと、地面が金網状になっていて、その下でずっと水が流れ続けており、その水のおかげで埃が舞ってしまうのを防いでいるのだそうです。
僕はそんなことも知らずに、地理の勉強をして、「地理ができるようになった」なんて勘違いをしていたのです。
ですから、本書を読んで僕が得た教訓は、「頭が良くなったと錯覚していたけれど、それは本当の意味で勉強をしたわけではないんだな」というものです。
「学び」とは主体的に自ら知りたいと思って行動することであり、そうでないものはすべて紛い物の勉強だったのだと気付かされるのです。自分たちが勉強していたことというのは結局、本来の勉強ではなかったのだ、と。
もっと有機的に知識を繋げて、次の新しい広がりを得るための問いを自分の中で得ようとすること。そういう過程こそが、「思考の整理」なのだと思います。
『思考の整理学』は、頭のいい人であればあるほど陥りがちな勉強の弱点を教えてくれる本だと言えるのではないでしょうか?