「適切か否か」を人間が判断するために必要

では、仕事上の事務的なやりとりではどうだろうか?

野口悠紀雄『ChatGPT「超」勉強法』(プレジデント社)

外国語能力が不完全な人間同士の会話では、間違いが生じることは十分にありうる。

それよりも、ChatGPTによる正確な翻訳のほうが望ましいということはあるだろう。

しかし、文章をChatGPTに翻訳させても、その文章が本当に適切なものかどうかの最終的な判断は、人間が行なう必要がある。不適切なら、それを人間が修正する必要がある。

こうしたことを行なうためには、人間が外国語を使える能力を持っていなければならない。

ChatGPTはコミュニケーションの「量」を増やす

ChatGPTが使えるようになったことは、人間同士の直接のコミュニケーションの必要性の低下を意味するように思えるかもしれない。しかし、そうではない。

ChatGPTを使う意味は、コミュニケーションの「量」を増やすことにある。ChatGPTによって、コミュニケーションが容易になるからである。

しかしそれは、すべてのコミュニケーションがChatGPTを介して行なわれることを意味するのではない。なぜなら、右に述べたように、人間同士の直接のコミュニケーションの必要性がなくなるわけではないからだ。

以上で述べたことは、英語に限らず、あらゆる言語についていえる。とくに中国語についていえるだろう。