入学試験のために必要
まず学生の立場から見ると、入学試験で英語(または他の外国語)の試験を課される状況が変わらない限りは、勉強する必要がある。
社会に出てからの必要性から見ても、英語が必要である状況は変わらないだろう。なぜなら、日本人が日本語を使い続け、アメリカ人が英語を使い続けるという状況は変わらないからだ。
これらの間の翻訳がChatGPTによってこれまでより容易になったのは事実だが、しかし、すべてをChatGPTに任せることはできない。
第1に考えられるのは、日本人が外国で仕事をしたり、勉強したりする場合だ。滞在期間が数カ月以上になる場合には、日本語だけでは不十分だ。
ただし、どんな国においても、その国の言葉が必要であるわけではない。状況によって差はあるだろうが、英語で用が足りる場合がかなり多いと考えられる。
質の高い人間同士のコミュニケーションのために必要
すべてをChatGPTに任せられるかどうかを考えるため、外国人との間の、人間同士での会話と、ChatGPTの自動翻訳を介した会話と、どちらがよいのかを比較してみよう。
対面での会話は、通訳を介するのではなく、人間同士がどちらかの言語で行なうほうが円滑にできる。会食などの場合に自動翻訳を通じて話すのでは、味気ないと感じる人が多いだろう。
微妙な感情を伝えることができない場合が多いからだ。例えば、ChatGPTが言葉遊び的なジョークを適切に翻訳してくれるかどうかは疑問だ。
ここから分かるように、ChatGPTを介するコミュニケーションは、人間同士の直接のコミュニケーションに比べて質が低い。だから、ChatGPTに依存する人が増えれば、直接に英語でコミュニケーションできる人の相対的な価値が上がる。