「読みにくい文章」にはどんな特徴があるか

②1つの文に2つのことを書かない

子供は特に論理構成に不慣れなので、一文にいろいろ詰め込むと文章がめちゃくちゃになりがち。一文に書いていいのは1つの事項、次の説明はいったん「。」で区切って別の文にする、と決めるとだいぶすっきりする。私も文章を書いていて、こんがらがってきたな、と思ったらいったん文を分けるようにしている。文が簡潔になるだけでなく、別の文と順番を入れ替えて整理することがしやすくなる。

③説明していない数や概念をいきなり出さない

説明不足を防ぐ技。説明に使っていい数は、問題文にある数と、自分が書いたそこまでの説明文中に出てきた数だけ。それ以外の数が出てきたら途中の説明が抜けている。数に限らず、問題文に出てこない概念を使うときも同じ。一つ一つ順に説明していくこと。

④前の文の説明内容と次の文がちゃんとつながっているか考える。

途中のロジックをひとつ飛ばしていないか確認する。実は③はその一手法だ。

文ごとに頭に「だから」「しかし」「つまり」「また」など接続詞を入れていくとこの構造がかなりしっかりする。入れてみてつながりがおかしいと感じる場合はだいたい説明のステップがひとつ抜けている。(ほんとうに全部の文に接続詞を入れるとくどいので、確認が終わったらほどよく削除するとよい)

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比較を意識することで、説得力を高められる

⑤資料からの考察を書く前に、読み取ったことをまず書く。資料の番号も書く。

降水量の推移の資料があったとして、「○○(地名)は冬に乾燥するので」ではなく、「資料①より、○○は冬の降水量が少ないので、冬場は乾燥すると考えられる」といった感じ。④で文どうしのつながりについて確認したが、これは資料と回答文をつなげる作業。

⑥事実と意見は区別する

記述問題の参考書にも必ず出てくる項目。勉強で習った知識や、問題資料から読み取れることは「~である」、自分で考察/推測したものは「~と思われる」で書き分けるとよい。

⑦比較を意識する

なぜ電子書籍が台頭してきたか? という問題に対して「持ち歩きやすいから」という回答は確かにあっているけれども、「従来の紙の本はかさばるため持ち歩きに限界があるが、電子書籍であれば何冊でも持ち歩くことができる」と書いた方が両者の違いも台頭の理由もはっきりする。

問題が「電子書籍と紙の本を比較せよ」であれば自然とこのように書くと思うが、紙の本というキーワードが含まれない「なぜ電子書籍が台頭したか」という問題でも比較を意識した方がいいというのがポイント。個人的に「隠れ比較問題」と呼んでいる。

よくあるのは、「増加」「減少」などの単語が出てきたら過去が比較対象になる。