大阪のひったくり件数は2000年の1万973件から99%減少

警察の日頃の努力や、外国人の入国管理の厳格化により外国人の犯罪者が減少したということも大きいと思いますが、特に大きな要因として考えられるのは「防犯カメラ」の設置台数の増加です。

近年では繁華街や通学路など多くの場所に防犯カメラが設置され、犯人の検挙と犯罪の抑止に威力を発揮しています。

写真=iStock.com/shih-wei

かつて“大阪名物ひったくり”と揶揄されるほどひったくりが多かった大阪ですが、防犯カメラの設置により激減しています。大阪府のひったくり認知件数のピークは2000年の1万973件でしたが、2022年には138件と約100分の1まで減少しています。

道路にも多くのカメラが設置されており、犯行後に車で逃走した際もカメラで追跡し犯人逮捕に至るケースが増えてきています。

全国の警察が2019年に逮捕などして検挙した刑法犯19万1191件(余罪を除く)のうち、防犯カメラなどの「画像」が容疑者特定の主なきっかけになったのは10.2%と職務質問(16.5%)に次ぐ実績を挙げています。

防犯カメラ先進国の中国では、日本の数十倍のカメラが設置されています。信号無視などの交通違反者を撮影した画像の顔写真と、当局が保有する市民の個人データを照らし合わせて本人を特定し、交差点にある大型モニター(交通違反者暴露台)に映し出し、名前や身分証番号の一部まで表示する仕組みが導入され、交通マナーが劇的に改善しているそうです。

かつては、繁華街にある防犯カメラを見て、酔っぱらった姿をカメラで監視されているなんて嫌だなとか、どんどん監視社会になってプライバシーが守られないなどネガティブな気持ちもありました。しかしこれだけ治安改善に寄与しているという現状を見ると、悪いことだけでもないですね。