「都会の人は冷たい」は本当なのか
最後にご紹介したいのが、第7位の『すごい心理学』。
多数の著書を持つ内藤誼人さんが、ビジネスの現場や日常生活で使える心理学を教えてくれる一冊です。
そのうちのひとつが“本当に都会の人は冷たく、田舎の人は温かいのか?”というテーマ。心理学的にいうと、都会の人が冷たい人ばかりというわけではありません。人が多すぎるがゆえに「自分が助けなくても、ほかの人が助けるだろう」と考え、結果として不親切になってしまう「責任の拡散現象」が生じているだけなのです。
これを裏づける実験を紹介しましょう。
米国カリフォルニア州立大学のポール・スコルニックは、交通量の多い道路と田舎道で、路肩に車を止めて援助を求めました。その結果、交通量の多い道路では助けてもらうまでに23.49台の車が通りすぎた一方、田舎道では2.56台しか通り過ぎなかったといいます。
「やっぱり都会の人は冷たいんだ」と言いたくなるかもしれませんが、ここからが実験のミソ。都会であっても、交通量が少なくなる時間帯には助けてくれる人が増えたのです。「責任の拡散現象」が生じなければ、都会の人も田舎の人と同様、他人を助けるといえるでしょう。
あなたの知的好奇心を満たしてくれて、雑談のネタにもぴったりの一冊。ぜひ読んでみてください。
今月も、人材育成からアドラー心理学、習慣術まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第1位だった『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』が第13位、第2位だった『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。