エンジンの出力も変えてません。10万キロの時に載せ替えたんですけど、そこからでも22年たっています。だから、今回のレストアは、言ってみれば「奇麗」にしていただいた、いわば「元の状態に戻す」というレストアの本道だと思います。
今、旧車の人気が高いみたいですね。YouTubeでもよく見かけるし、値段が上がっています。いろいろな車を楽しみたいオーナーもいて、欲しい人はすぐに買い替えちゃう。そういう時代ですよね。
シーマレストア完成お披露目会の日、かけられたシートが開いた時に思わず涙が出ました。あのままでも愛着はありましたが、もともと乗ってた車が、思った以上に素敵な仕上がりで、納車したての新車の香りまで感じました。「よみがえってくれて、これからまだまだ乗れる」と思ったら感動しちゃって。細かいところまで、心を込めて作業をしていただいたからでしょう。
相棒っていう思いはあります。こんなに長く付き合っていると、魂が宿っちゃっているような感じで、私の意識とは別に、車が危ないよって、危険回避してくれる、車が勝手に危険を察知して避けてくれたんじゃないかと思う瞬間までもあります。
レストア後は、どこも擦ってないし。危ない目にも遭ってないので。物を大事にするってそういうことなのかなって、改めて感じています。私にとって、旧車に乗り続ける「意味」って特にないのですが、好きだからずっと乗っているだけなんです。
今走っていると結構目立ちますね。信号待ちでトラックの運転手さんに手を振られたり、駐車場でガン見されたりしますね。昭和ではありませんが、良き旧車です。平成2(90)年モデル(Y-31、TYPEⅡリミテッド)です。いまだに人気があって、トミカからミニカーも売られています。ミニカーには、レストアした私の車「伊藤かずえ仕様」もあります。