どうすれば二日酔いは治るのか

「お酒と一緒に水を飲むと、アルコールの分解が速くなる」。お酒の場で、よく聞くフレーズではないでしょうか。ところがこれは誤解です。

減酒の面からいって、お酒と一緒に水を飲むこと自体はおすすめです。確かに、飲んだ水の分、お酒の総量を減らしやすくなります。脱水症状を防ぐこともできます。しかし、水がアルコールの分解を助けるわけではないのです。

飲んだ翌朝、起きられない、頭が痛い、吐きそう。飲む量をセーブできないと二日酔いに襲われます。飲み過ぎれば、いくら水を飲んだところでお酒は体に残ってしまいます。血中に溶けたアルコールの代謝は、主に肝臓で行われます。

アルコールが体外に排出されるまでの時間の目安は、ビール缶1本(500ml)、焼酎グラス1杯(150ml)、日本酒1合(180ml)は約4~5時間。ワイングラス1杯(100ml)は約2時間。ウイスキーならロックでグラス1杯(150ml)は約8時間と言われています。

減酒セラピー』より

ただしこれらは体重60kgの人を基準とした数値です。アルコールが抜ける時間は、飲んだお酒の種類と体内でアルコールを分解する能力によって違ってくるのです。

翌日に響かないよう、対策をしているという方も少なくないでしょう。たとえば、飲んだ後にサウナで汗をかく。翌朝、お風呂で湯舟に浸かる、必ずランニングをする。残念ながらこれらも俗説で、効果は期待できません。脱水症状や心臓への負担などを考えると、むしろ危険です。

ただひたすら待つしかない

さらに言えば、飲んだ後しっかり睡眠をとればアルコールの分解速度が速くなると考えている人が多いと思いますが、実はその反対で、睡眠はアルコールの分解速度を和らげ、酔いから醒める速度を遅らせてしまいます。

時間が経過するという意味ではもちろん意味があるのですが、飲んだ後起きているのと眠るのとでは、眠るほうがアルコールの分解が進むというのは間違いです。

「たくさん飲んでも二日酔いにならない裏ワザが知りたい!」その気持ちはよくわかりますが、おいしく飲んで日々のパフォーマンス低下を招かないためにも、やはりおすすめは減酒なのです。

飲んでいったん体に入ってしまったアルコールは、体内で代謝が終わるまでは抜けません。待つしかないのです。運転や機械操作など、お酒が残った状態での勤務が禁じられている仕事の場合は、一気に信用を失ってしまいます。