サイゼリヤの料理だと知らなかったからおいしいと思えた

食後に「黙っていたけど、これはサイゼリヤの料理ですよ。最後の晩餐だと思って……」と妻から告げられたとき、私は驚くと同時に、とてもうれしく思いました。

というのも、もしサイゼリヤの料理だと知っていたら、私はきっと「まずい」と言っていたからです。

驕ってはいけない、日々反省しなければならない。気を抜いてはいけない。だから、サイゼリヤの料理を「おいしい」と言ってはいけない。

正垣泰彦『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』(KADOKAWA)

私は日々そう自戒していたのです。でもあのときは、サイゼリヤの料理だと知らなかった。

60年以上サイゼリヤをやってきて、初めてまっさらな心で味わうことができ、本当においしいと思いました。「おいしい」「本物の味だ」と、口に出して言うことができました。

「こんなにおいしいなら、もっと安く、おいしくしたい!」

そんな思いがあふれ出し、私はそれまで以上に元気になったのでした。

サイゼリヤの料理であることを黙ってくれていた妻には、感謝しています。

関連記事
大浴場で「ポカリ飲み放題」も提供中…「ドーミーイン」があり得ないほど快適なサービスを連発できるワケ
なぜ北海道は「セブンよりセコマ」なのか…道民に圧倒的支持されるコンビニの「3大すごい」
ついに福岡で「トンコツ系」が少数派に転落…業界を震撼させる「豚骨ラーメン離れ」の3つの理由
「使えない」とされた人が集まった…従業員の6割が障害者、9割が女性というチョコレート店の「新しい働き方」
「私は聞いていない」という上司はムダな存在…トヨタ社内に貼ってある「仕事の7つのムダ」のすさまじさ