アマゾンは会議でのパワポ使用を禁止している

世界随一のECサイトであるアマゾンでは、報告や会議においてパワーポイントの使用を禁止しています。会長が出席する会議での書類に始まり社員同士がやりとりする報告書まで、すべて箇条書きの文書で簡潔に作成するよう取り決められているのです。ジェフ・ベゾス会長は、これでこそ議題がクリアに考察でき、迅速かつ正確にコミュニケーションすることが可能であるとしています。

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このように、企業側が会社の生き残りをかけて作文教育に投資する以上、学生を送り出す大学側も、学生たちのライティング力に対して口酸っぱくならざるを得ません。

思考力そのものが力となる時代において、書くという行為は思考力を磨くための最良かつ、唯一の手段です。

ここでもう一度、話を子どもに戻しましょう。お子さんは、論理的に考え、学んだことを理解しているでしょうか? また、学んだことを論理的にわかりやすく書く力はありますか?

実力不足のレッテルを貼られないために

AIが身近にある現代にあって、ライティングを学ぶ人はむしろ急増しています。SNSなど文章で発信する機会が以前より増えたせいでしょうか。公私を問わず、文章がつたないと単に作文が苦手な人という印象にとどまらず、その人の実力自体を疑われかねないからです。こうした先入観を与えてしまうと、それを払拭することは容易ではありません。

逆に、文章力のある人は、作文がうまい人という印象を超え、能力のある人材として認められます。

職場で遂行する業務の多くは作文が命です。特に、不特定多数の人に誤解なく読ませる文章や、相手の心をつかむ文章が書けるライティング力は、読み手側に関心やお金、時間を差し出させることができるもので、大変重宝されます。今やプロフェッショナルの必修科目になりました。

小学生でも、論理的な思考力を持つ子どもはハキハキと発表したり、簡潔な文章で要点をまとめて書けるものです。こうした子どもたちは、ライティング力でほかの生徒たちより頭ひとつ抜きんでるだけでなく、その子ども自身の自尊感情も高まります。