45cm以内のパーソナルスペースに入ればセクハラになる

まず、さきほど挙げた「身体的接触」は現代においてはすべてNGだ。とっさに落下を防ぐ、転ぶのを阻止するといった安全上の理由でもない限り、仕事をともにする相手の身体にはふれないのがあたりまえである。

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もし、「髪やネイルにさわるくらいで、セクハラになるの?」とお考えになる方がいれば、それはあなたの立場をあやうくする誤解なので、ぜひ認識をアップデートしていただきたい。それは親密な関係性でしか許されず、また職場にはふさわしくない行動だ。

「パーソナルスペース」という文化人類学ではすでに古典的となった考え方がある。人と人との間が0〜45cmの範囲を、家族や恋人といった間柄にのみ許される「密接距離」とする。いいかえるなら、満員電車でもない限り、相手から45cmのスペースに入ると心理的に警戒されるということだ。もちろん、軽い接触と思われがちな「頭ポンポン」も、同意がなければセクハラに含まれる。

仕事の関係上では、「社会距離」とされる1.2~3.5mのスペースがふさわしい。もちろん、この密接距離や社会距離は、文化や文脈によっても変わるし、文献によっても多少異なる。出会った冒頭にハグをするような例外もある。しかし仕事相手との「安全な距離感」の目安として、覚えておいて損はないだろう。

「彼氏はできた?」「更年期?」容姿・交際・出産などへの言及はNG

また、小島元町長は、言葉によるハラスメントも非常に多かったようだ。

女性職員へのセクハラ発言

・「彼氏はできたのか」
・「子どもをつくったほうがいい」
・「生理は終わったのか」
・(後ろ姿を評価して)「安産型やな」
・「ズボンをパンツと呼ぶなら、その中は何と呼ぶのか」と尋ね、「パンツ(下着の意味)」という言葉を執拗しつようにいわせようとする

パワハラ発言

・気にいらないと、「懲戒」「クビ」「降格」と激高
・業務外の慰労会を断った職員に「トップのいうことが聞けんのか」と激怒
・コロナ禍での食事会を諫めた部下に「お前にいわれる筋合いはない」
・車中で抱きつき「お前なんかいつでも辞めさせられる」(セクハラでもある)
・有休明けの職員を町長室に呼び出し「休みすぎだ」
・育休をとろうとした男性職員に「ボーナスは安くなる。出世から外れる」と発言