好きで始めたことも嫌になったらやめていい
好きで始めたのに、上手くいかないなんてよくあることです。恋愛と一緒です。好きで付き合い始めたのに、好きじゃなくなって別れるなんてよくあることじゃないですか。まぁ、僕の場合「お笑いが好き」だったのかはよく分からないですけど……。
初心は、忘れてもいいのです。
ただ、「辞めてよかった」みたいなことを散々言ってますけど、実はまたコンビを組んで芸人をやりたい気持ちがあります。
好きで始めたことを、嫌になってやめたっていい。それと同じで、嫌になってやめたことをまた始めたっていいと思います。
幸いなことに、芸人ってそういうことがやりやすい職業です。僕のやり方がベストではないけど、またやれる可能性があるのはありがたいなと思います。
お笑いが僕に一番向いていることかどうかは分かりません。何が得意なのかも分かりません。
けど、また芸人に戻る日がやってくる可能性は多分にあります。
お金がもらえなかったとしても後悔しない
僕は、むっちゃお金がないときでも「お金のために」働いたことはありません。
むしろ、たかさきとコンビを組んでいた5年間は、チケットノルマでマイナスになることもありました。
お金がもらえなかったとしても、別に後悔はしません。それでいいと思っています。
そもそも僕は、給与明細にあまり興味がありません。「いくら稼いだんだろう」とか、気になったこともありません。
吉本を辞めてからは、自分で領収書、始末書……えーっと、請求書や。請求書を書かなあかんってことになって、そこで初めて1年やっていたレギュラー仕事のギャラを知りました。
お金のためにやっていたわけではないとはいえ、「お笑いが楽しいから無給でもいい」みたいな崇高な思いでやっていたわけではありません。
使命感で芸人をやっていた感じで、楽しいとかはあんまりなかったです。
目の前にあるから「やらなあかんもん」だと思って、やっていました。
今はその使命感からは解放されているんですけど、また「使命を感じたい」とも思っています。また、しんどい思いをしたい。
何かの納期に追われるとか、ネタをつくらないといけないとか……そうなったらなったで、めっちゃ嫌なんでしょうけどね。
でもそういう苦しみもまた、やりがいなんやと思います。ないならないで、ちょっとしんどい。縛りは欲しいっちゃ欲しい。俳句や短歌も、「五・七・五」みたいな縛りがあるからいいんですよね。なんもなかったら楽しくないですから。
いざやり始めたら、自由律がいいってなるんですけどね。