好きで始めたことも嫌になったらやめていい

好きで始めたのに、上手くいかないなんてよくあることです。恋愛と一緒です。好きで付き合い始めたのに、好きじゃなくなって別れるなんてよくあることじゃないですか。まぁ、僕の場合「お笑いが好き」だったのかはよく分からないですけど……。

初心は、忘れてもいいのです。

ただ、「辞めてよかった」みたいなことを散々言ってますけど、実はまたコンビを組んで芸人をやりたい気持ちがあります。

好きで始めたことを、嫌になってやめたっていい。それと同じで、嫌になってやめたことをまた始めたっていいと思います。

幸いなことに、芸人ってそういうことがやりやすい職業です。僕のやり方がベストではないけど、またやれる可能性があるのはありがたいなと思います。

お笑いが僕に一番向いていることかどうかは分かりません。何が得意なのかも分かりません。

けど、また芸人に戻る日がやってくる可能性は多分にあります。

お金がもらえなかったとしても後悔しない

僕は、むっちゃお金がないときでも「お金のために」働いたことはありません。

むしろ、たかさきとコンビを組んでいた5年間は、チケットノルマでマイナスになることもありました。

写真=iStock.com/Altayb
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お金がもらえなかったとしても、別に後悔はしません。それでいいと思っています。

そもそも僕は、給与明細にあまり興味がありません。「いくら稼いだんだろう」とか、気になったこともありません。

吉本を辞めてからは、自分で領収書、始末書……えーっと、請求書や。請求書を書かなあかんってことになって、そこで初めて1年やっていたレギュラー仕事のギャラを知りました。

お金のためにやっていたわけではないとはいえ、「お笑いが楽しいから無給でもいい」みたいな崇高な思いでやっていたわけではありません。

使命感で芸人をやっていた感じで、楽しいとかはあんまりなかったです。

目の前にあるから「やらなあかんもん」だと思って、やっていました。

今はその使命感からは解放されているんですけど、また「使命を感じたい」とも思っています。また、しんどい思いをしたい。

何かの納期に追われるとか、ネタをつくらないといけないとか……そうなったらなったで、めっちゃ嫌なんでしょうけどね。

でもそういう苦しみもまた、やりがいなんやと思います。ないならないで、ちょっとしんどい。縛りは欲しいっちゃ欲しい。俳句や短歌も、「五・七・五」みたいな縛りがあるからいいんですよね。なんもなかったら楽しくないですから。

いざやり始めたら、自由律がいいってなるんですけどね。