しんどい状態でダラダラ続けるほうが思考停止
「これ以上売れたらヤバい」。そう思って、僕から解散を切り出しました。
解散が決まったとき、世界に色が戻ってきました。
「オドるキネマ」として活動したのは、2年と少し。積み上げてきたものを手放すことに、なんのためらいもありませんでした。
今でこそ「ちょっともったいなかったな」と思うけど、当時はしんどすぎて無理でした。今でも、あのときの選択は間違っていなかったと思っています。
解散すると発表したとき、いろんな意見をもらいました。
僕と親しくない人からは、「意味分からん」とか「奇行や」みたいなことも言われました。でも僕のことを知ってくれている人は、「この状況で辞めるんやったら、本当にそういう人間なんやな」と分かってくれていたと思います。
「ファンがかわいそう」とか「相方に申し訳なくないのか」とか言う人もいましたけど、僕からしたらそっちの意見のほうが意味分かりません。こんなにしんどい状態をダラダラ続けるって、逆に「頭を使ってない」ってことではないでしょうか。
「つらい」と感じている自分の気持ちを大事にする
一番大事なのは、自分の気持ちだと思います。しんどかったら、誰かに遠慮とかせずに手放していいのです。
まぁ、僕は人一倍握力がないんですけどね。自分なりに大事に持ってたつもりですけど、持ち続けることはできませんでした。
「オドるキネマ」のときは、早く「ネタをやらんでええ場所に行きたい」と思っていました。ネタを考えたり毎日ライブに出たりする生活ではなく、その場でしゃべるだけでいいバラエティーのひな壇に早く行きたい。
なんも準備しやんでも、ぱっと行ってぱっとしゃべって帰るような芸人になる……これが僕の理想でした。でも、そんな都合よくはいかないです。