モヤモヤは消え去るのか?
妻の稼ぎによって、最も経済的恩恵を受けているという内田さんだが、妻が右肩上がりで仕事の実績を伸ばしている際に抱いた複雑な思いを、「モヤモヤがあった」と表現した。
ストレートに言えば、うらやましさはありました。でも、応援したい気持ちもありました。稼ぎの恩恵は私に来るわけですから。応援する気持ちが半分、焦りが半分といったところでしたね。妻は、自分の最も身近にいる同世代です。やっぱり、そういう人と自分を比べた時に、焦るっていう気持ちがない人は、まず、いないんじゃないかと思います。
でも、嫉妬はなかったですね。嫉妬という感情はありませんでした。焦りなんです、やっぱり。先輩、後輩という関係だったので、後輩に追い抜かれていく感覚っていうのがあったんでしょうね。とは言え、それが原因で口論とかすることはなかったですね。何か、すごく羨ましかったり、焦ったりするんですけど、「やっぱり、恩恵が自分に来る」と思えて、最後はギリギリのところで納得できるんですよね。世帯年収が上がるのは、誰にとっても「めっちゃ、良いじゃん」みたいな感じでしょうし、もう慣れたというか。
応援と焦りが半分ずつ同居していたモヤモヤは、年がほとんど離れていないことと、大学時代の上下関係から生まれていた。内田さんは、内田さんを先輩だと思う意識が「妻には、全然ない」と断言する。一方の内田さんは、自分が先輩だという意識を一定程度抱き続けているがために、複雑な思いやモヤモヤが生まれたと推察される。
相談しない自分と相談してくる妻
仕事内容や職種が重ならず、専門性も異なる内田さん夫婦の間で、内田さんは妻に仕事に関する相談をすることはなかった。かたや、妻はかなりの頻度で内田さんに相談してきたという。