PCとともに普及した5.25インチFD

8インチFDをベースにし、より小型のFDとして登場したのが「Mini Floppy Disk」。米国のコンピュータ用周辺機器メーカーShugart Associatesが1976年に開発したもので、他のFDと区別するため、そのサイズから「5.25インチFD」と呼ばれることが多い。

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5.25インチFD

直径約130mmのディスクを使い、約134mm四方とかなり小型化されたのが特徴だ。なお、ディスクを封筒のような樹脂カートリッジで保護している点や、厚みに関しては8インチFDとほぼ同じ。素直に小型化したような規格となっているため、容量も約80KBと少なくなっていた。ただし、技術の進化と共に容量は増えていき、特殊なものを除くと、8インチFDと同容量の1.2MBまで増加している。

8インチFDは基本的に外付けドライブによる利用だが、1980年代に普及したビジネス向けPC、個人向けのホビーPCでは、多くのモデルでこの5.25インチFDのドライブを内蔵していた。だれもがFDを使えるようになってきたため、ソフトの販売はもちろん、個人間でのデータ受け渡しもFDで行いやすくなった。また、薄くてコストが安かったこともあり、雑誌の付録に使われることも多かった。

3.5インチFDで欠点を克服し、さらに小型化

5.25インチFDはそれなりに小型で安価ではあったが、ディスクの一部が露出しているため、ホコリやゴミが入りやすい、指でディスク面に触れてしまう、ディスク面に傷が付きやすいといった欠点も多かった。また、ほぼ正方形となるため、向きや裏表関係なしにドライブに入ってしまうというのも問題だ。

こういった欠点をなくし、さらに小型化したFDとしてソニーが開発したのが、「Micro Floppy Disk」。一般に「3.5インチFD」と呼ばれているもので、1980年に独自規格として開発。その後、1984年に標準化され、多くのメーカーが製造・販売するようになった。

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3.5インチFD

主な特徴は、ディスクの露出を防ぐシャッターの装備、多少力を加えたくらいでは曲がらない丈夫なカートリッジの採用、ドライブに入る向きが決まっていることなど。中のディスクは直径約90mm、サイズは約90×94mmとやや縦長で、カートリッジが丈夫になったぶん、厚みは約3.3mmに増えている。