1.44MBを超える容量の規格は普及せず

3.5インチFDは、AppleやIBMが採用したことで普及が進み、ホビーPC、ワープロ専用機などでも採用されることが増えていった。少し変わったところでは、電子楽器、デジカメなどでもFDを利用するものが登場している。

ワープロ専用機などでは容量が720KBのFD、PCでは容量が1.2MBや1.44MBのFDがよく使われた。これより容量が大きな規格もあるが、ほとんど使われることはなく、残念ながら普及しなかった。

個人向けPCのメインストレージ的存在に

古くはFDからOSを起動し、データもFDに保存するという使い方がされており、とくに個人向けのPCでは、メインストレージに近い扱いとなっていた。Microsoft Officeソフトなどの保存アイコンがFDの形になっているのも、データ保存先の象徴として認識されていたことの名残だ。

Wordソフトとペイントソフトの保存アイコン。FDの形になっている
編集部作成
Wordソフトとペイントソフトの保存アイコン。FDの形になっている

ただし、1990年代になるとHDDが低価格化し、個人向けのPCでもHDDが普及したため、FDの出番は減少。さらに、Windows 3.1が登場すると、音楽や画像が多く扱われるようになり、徐々にデータサイズが巨大化。FDでは容量不足になるシーンが増え、あまり使われなくなっていった。

容量不足になっても「受け渡し用」として活躍

それでも、どんなPCでも大抵FDドライブを装備していたため、だれもが使える記録媒体としての強さは変わらない。1990年代でも、プリンターやスキャナーなどの周辺機器、拡張ボードなどでは、ソフトやドライバーの提供がFDで行われていたし、共通に使えるデータの受け渡し用メディア……リムーバブルメディアとしての活躍の場は残っていた。

行政手続きといった公的なものでは、だれもが使えるというのは非常に重要となるため、PCであれば大抵使えたFDが長く使われていたというのも当然だろう。とくに、書類のようなサイズの小さいデータであれば、FDで十分な場合が多かった。

ちなみに、3.5インチFDおよびFDドライブはどちらも2010年ごろに生産終了、2011年に販売終了となっている。登場から30年近くも製造が続いていたことからも、FDがいかに使われていたかがうかがえる。