全国主要8地域の震度6以上の回数の推移でわかること

次に、同じ気象庁の震度データベースで、この100年で地震が多かった東京都と福島県、および震度7以上の大きな地震に見舞われたことのある北海道、宮城県、新潟県、兵庫県、熊本県、そして石川県という合計8地域の年代ごとの地震回数(震度6以上)の推移を図表3に示した。

こちらを見ても、日本のどこに住んでいても大地震の発生がないと安心してはいられないと実感する。

震度7という最大の揺れが大きな被害をもたらすことは今回の能登半島地震で認識させられたところであるが、震度6でも悪条件が重なると震度7以上の被害を生じさせることがある。例えば、東日本大震災は福島県では震度6にとどまっていたが、沖合から押し寄せた津波被害で深刻な原発事故につながった。また1923年に発生した関東大震災は東京都では震度6止まりだったが、下町市街地を中心に大火災を引き起こし巨大かつ凄惨せいさんな被害をもたらした。震度が6以下でもけっして安心はできないのである。

津波の最大の高さ:東日本大震災は能登半島地震の4倍以上

沿岸・沖合が震源の地震では津波による大きな被害が懸念される。東日本大震災では多くの方が津波によって亡くなったが、原子力発電所が高い津波の直撃を受け、原子炉のメルトダウンという深刻な原子力事故につながったことも記憶に新しい。

次に、震災時における津波の高さデータを振り返ってみよう。

能登半島地震については、気象庁の調査班が2024年1月11~20日、石川、富山、新潟の3県のうち、津波被害が特に大きかったとみられる地区で、津波が到達した高さを調べた。この結果を図表4で示した。津波の高さは痕跡高と遡上そじょう高に分け、それぞれ海岸線に沿って西から東に並べ直した(原資料では混在)。

痕跡高(青グラフ)で最も高かったのは能登町白丸の4.7mであり、珠洲市飯田港の4.3m、能登町内浦総合運動公園の4.0m、佐渡市羽茂港の3.8mがこれに次いでいた。

遡上高(緑グラフ)で最も高かったのは上越市船見公園の5.8mであり、同直江津海水浴場の4.5mがこれに次いでいた。