旧NISA口座の資金をすぐに売却する必要はない

旧NISA口座の運用資産は、投資した年から、つみたてNISAなら20年間、一般NISAなら5年間、今後も非課税運用できます。わざわざ、非課税運用できる資産を現金化して、新NISAに移し替える必要はありません。

逆に、新NISAの生涯非課税投資枠1800万円にプラスして非課税運用できる貴重な投資枠として、非課税期間終了まで運用を続けるべきです。

しかし、特定口座で運用している資金に関しては今後、利益を確定したときにその約20%が税金として持っていかれてしまいます。

2024年以降、年間360万円、総額1800万円までは非課税運用できるようになるわけですから、新NISAの投資枠に空きがある2024年早々に、いったん現金化して、新NISAに移し替えたほうが断然有利です。

たとえば、旧NISA口座に100万円、特定口座に100万円の運用資産があった場合は、

●旧NISA口座の100万円はそのまま非課税運用継続
●特定口座の100万円は売却して新NISAの投資資金に充てる

そして、残り1700万円の枠を月収50万円から月の生活費30万円を引いた月20万円で埋めていくのが、新NISA攻略の最適解になります。

課税口座の資金売却基準は「年間360万円の余力」の有無

ここまでの攻略法を整理すると、

●旧NISA口座にある資金は売却しない(旧NISA口座はいったん運用資産を売却すると非課税枠が消滅してしまうので、非課税期間いっぱいまで運用を続けるのがベスト)
●利益に課税される特定口座(もしくは一般口座)にある資金は場合によっては現金化して新NISAに投資

という流れになります。

課税口座にある資金を売却するかしないかは、基本的には、

●年間360万円の投資余力がある人は売却しない
●年間360万円の投資余力がない人は売却して新NISAでの投資資金に充当

山口貴大『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)

という判断になります。

ただ、特定口座と新NISA口座でまったく同じインデックスファンドに投資しているといった場合、たとえ360万円の投資余力があったとしても特定口座の資産は売却して、非課税口座の新NISAに移し替えたほうがいいでしょう。

その場合、これまでの利益に約20%課税されたうえで非課税運用に切り替える効果と、税金の支払いを繰り延べして課税口座で運用を続ける効果を天秤にかけることになります。

その後の運用がうまくいけばいくほど、非課税の新NISA口座に移し替えたほうが有利になります。

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