「ジャンクSPORTS」での浜田のアスリートイジリも危うい

現に、同様に「イジる笑い」を貫いていたとんねるずは、2018年の「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)終了をもって冠番組がなくなっている。

その点では「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)の浜田の司会スタイルも、いずれ路線変更を求められるのかもしれない。ダウンタウンのかつての輝きを知らない若い世代が、うっかりあの番組を見れば、「なぜ専門分野で懸命に努力してきたアスリートを、おじさん司会者がくさしているのか」と思ってもしかたないだろう。

ターゲットである中年男性にはウケているのかもしれないが、スポーツ選手を「雑に扱う」番組に対してCM出稿することが、スポンサー企業のイメージアップにつながるのかどうか、疑問である。

ウンナンの女性へのリスペクト、犯罪とは無縁の安心感

それにひきかえ内村も南原も、おそらく相手を「イジりすぎない」のである。どちらかというと相手を「立てる」司会回しやコントをこの20年近く、ずっとコツコツやってきたのがウッチャンナンチャンなのだ。

紅白歌合戦で突然出てきたポケビとブラビがいまの小学生にも受け入れられているのは、そのメンバー構成にもあるだろう。内村と南原は、本来あのユニットを生み出した「ウッチャンナンチャンのウリナリ‼」という番組の「持ち主」である。しかし、2人は音楽活動のステージにおいては、キャイ〜ンのウド鈴木、天野ひろゆきとともに、千秋とビビアン・スーという女性ボーカリストを「立てる」ことに徹している。

ポケビとブラビに共通する、自分の夢をかけて輝こうとする女性を、男性たちがリスペクトし、サポートする、というトリオのスタイルは、25年の時を経て、いっそうナチュラルに受け入れることのできるものとなっていた。

また、そもそもこのユニットを構成する、ウッチャンナンチャン、キャイ〜ン、千秋、そして台湾の大スターであるビビアン・スー、6名全員が、逮捕や引退、健康を損ねるということもなく、ここまで健康で芸能活動を続けてきたことがすばらしい。当時のキャスティングの精度の高さに感服するほかない。

松本人志、そして吉本興業の中で性的斡旋あっせんに関わっていたという疑惑の報じられた芸人たちが引退や謹慎でテレビから消えたとしたら、それは決して「終わり」ではない。むしろ、風通しのよい、それこそが2024年以降の「アップデートされた日本の笑いの始まり」ではないか。

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