絶望の高校時代
高戸さんが中学生になると、両親は自分たちの学歴コンプレックスから、膨大な量の勉強を強要。高戸さんは、異常な家庭から逃れたい一心で勉強に没頭し、無事志望高校に合格することができた。
ところが、入学した高校はハイレベルかつ膨大な学習量で有名な進学校。高戸さんは必死で授業についていこうとするが、高校受験ですべての力を使い果たした、いわゆる“燃え尽き症候群”の状態に陥っていたため、だんだん登校することができなくなり、ついに不登校になってしまう。
当然父親は「甘えるな! ふざけるな! 学校へ行け!」と怒鳴り散らし、母親は泣きわめく。
「両親は、いつもは私のことを粗末に扱うくせに、進学校に合格したときだけ自慢の道具として全力で利用しました。“難関校に合格した自慢の種”が、不登校などという恥ずべき烙印を押されることは、彼らには決して許されないことでした」
朝から怒鳴り散らす父親、泣き叫ぶ母親に取り囲まれながら、高戸さんは布団に包まって耳を塞いでいた。(以下、後編に続く)