文章力が最大の強みとなった

3つ目のポイントは「知識・文章力・論理的思考を掛け合わせる」です。難関といわれる大学に合格するには、これらのうちどれか1つだけで勝負するのではなく、3つをうまく掛け合わせることが肝になります。

知識については、「完璧に」ではなく「ある程度」身につければ十分です。他の2つに比べればわりと適当に、雑に押さえておくぐらいの気持ちでいいと思います。東大でも入学試験で100点満点をとる必要はまったくなく、各科目60点ぐらいとれれば合格できるんです。実際に僕も、入試にはある程度の知識と漫画から得た断片知識だけで臨みました。

文章力については、僕の場合はこれがいちばんの強みになりました。正直、この力のおかげで合格できたようなものだと思っています。どうやって鍛えたかというと、やはり漫画を通してです。漫画にはいい文章がたくさん出てきますし、好きなセリフはしっかり覚えるので自然と日本語力が身につきます。

加えて、僕は好きな漫画については友達にこれでもかというぐらい熱く語っていました。主人公の行動や心情についてディスカッションすることもあり、おかげで喋る力が、ひいては文章力が鍛えられていきました。ちなみに、このころ培った「推しについて熱く語る力」は、起業した今もプレゼンで大いに役立っています。

子どもの学力がメキメキ鍛えられる超オススメ漫画

難関といわれる大学は試験で文章を書かせることも多いので、文章力を鍛えておくと点をとりやすくなります。お子さんの文章力を鍛えたい方は、同じ漫画を各自で読んで、推しの登場人物や好きなシーンについて熱く語り合ってみてはいかがでしょうか。

ただ、自分の好きな漫画だけ読めば文章力が上がるかというとそうではありません。何かの力を伸ばすには、ちょっと頑張ればできる、あるいは助けがあればできるといったレベルの領域に踏み込むことが大事です。そのため僕は、自分にはちょっと難しいかなと思う漫画も積極的に読むようにしていました。

具体的には、『ビッグコミック』や『モーニング』といった青年向けコミック誌の社会派漫画です。特に『モーニング』連載の『働きマン』や『ジパング』、『島耕作』シリーズはよく読みました。高校生では経験し得ない世界や大人っぽい文章に触れることができて楽しかったですし、文章力を養ううえでもとてもためになりました。

結局、高校で学ぶ受験勉強よりも、社会に出てからする仕事のほうがよほど難しかったりするので、早いうちからそういう世界に触れることで自然とレベルアップできるんですよね。