昨年テレビドラマ化されたマンガ『セクシー田中さん』の作者・芦原妃名子さんが亡くなった。作家の岩井志麻子さんは「このマンガがきっかけで私はベリーダンスを始め、女性に生まれたことの喜びを改めて知った」という――。
ベリーダンスを舞っている女性
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『セクシー田中さん』の「セクシー」はどんな意味か

セクシーというのは、日本語にすればだいたいが「性的魅力、性的興奮、色っぽい、官能的」といったエロティック限定の言葉になるが、英語圏の国々では、性的な雰囲気は抜きで「魅力的、みんなに人気、かっこいい」といった意味合いで使われることもあるのだと、つい最近になって知った。

たとえばセクシー・カーは色っぽい車ではなく、かっこいい車。セクシー・プランなら魅力的な計画なのだそうだ。いやしかし、やっぱりそう知っても微妙な気分になる。

何年か前、環境相が国際的なサミットで気候変動問題をセクシーと発言して問題視されたが、あれも性的な意味合いで使った訳ではなかったのだなと改めてわかったが、やっぱりああいう場でセクシーといえば、どうしても誤解はされるだろう。

だから考えてみれば、我らはなかなかに不穏、不穏当、非日常であるはずの意味の言葉を、けっこう気楽に日常使いしているし、されている。それは私もで、「あなたは多くの人に性的魅力を振りまいていますね」といった誉め言葉、ときにはお世辞として口にしてきた。

私にしては気合いを入れておしゃれしたとき、セクシーといわれれば素直に賛辞と受けとめにっこりする。

改めてセクシーの意味を調べよう、ちゃんと確かめてみようとしたのは、ドラマ化もされた人気マンガの『セクシー田中さん』を読んだからだ。