「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持つ者だけだ」

これは、サッカー・イタリア代表の背番号10としてワールドカップでも活躍したロベルト・バッジョ氏の言葉です。チャンレジなくして成功はない。それはサッカーに限らない、人生の真理ではないでしょうか。

時代に合わせて変えること、変えてはいけないこと

サッカーにもトレンドがあります。テクノロジーやルールも変化しているので、僕がプロ入りした1998年と2023年のサッカーでは、大きく様変わりしています。

その変化に適応することは、試合に出場して活躍するうえで重要ですが、サッカー選手として大切にしている核となる部分を変える必要はないというのが僕の考えです。

僕や中村俊輔さんのような、司令塔と呼ばれるタイプの選手が“絶滅危惧種”になってきているのが現在のサッカー界の流れです。状況を判断して、ボールをキープし、プレーのテンポを早めたり遅らせたりすることができる選手は、ほとんど見当たりません。

プレースピードの速さと走力が求められるのが現代サッカーですから、僕のようなタイプの選手を育てていく必要がないのかもしれませんね。ただ、時代が変わって、また必要とされるときがくるかもしれない、という思いはあります。

「日の丸を背負う重み」を知るのは代表に定着してから

プレースタイルはともかく、若い選手には、積極的に自分を出して、ミスをおそれずチャレンジしてほしいですね。仮に失敗をしたとしても、必ず将来のかてになっていきます。

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たとえば、日本代表に選ばれた若い選手がいたとします。試合に出ても、萎縮いしゅくして自分らしいプレーを発揮できなかったとしたら、次にまた呼ばれる保証はありません。

日本代表は大きな責任を背負ってプレーをするべきだと思っていますが、日の丸を背負う重みを知るのは、日本代表に定着してからでも遅くはないです。

まずは積極的にチャレンジを!

これは日本代表の若手選手だけでなく、すべての若者に伝えたいマインドです。思い切ったチャレンジが、将来の伸び代をつくってくれると思います。