就職氷河期世代より深刻な令和の20代
男女共同参画白書においては「固定的性別役割分担を前提とした昭和モデルから脱却し、令和モデルに切り替える時である」と勇ましい言葉が並びますが、現実的には、結婚や出産・子育てを契機に夫の一馬力にならざるを得ない若い夫婦は多い。「130万円の壁」も含めて扶養や税金控除や第3号被保険者制度もそうなっているのですから、それに合わせるしかありません。
だからこそ、そうした事態に備える意味でも、結婚を希望する女性は「男性の経済力」という条件を譲れないのであり、それは是非の問題ではなく、現実の適応力として当然の話なのです。中身のない令和モデルなどというもので家族は運営していけません。
結果的に、結婚できるのは、ある程度の年収以上の男性だけになり、低年収男性は未婚のまま取り残されます。低年収だけではなく、今やかつて結婚のボリューム層だった年収300万円台の中間層でさえ結婚できなくなっています。
こうした事態は、今40代にさしかかる層が20代だった頃の20年前から就職氷河期として始まっており、だからこそ40代以降の未婚人口が統計史上最大にまで膨らんでいるのでしょう。加えて、今の20代は、その20年前の20代より、より重い国民負担率が課せられ、可処分所得が大幅に減っています。
額面の収入格差以上に、手取り格差が広がり、結婚格差を生んでいるのです。