松本人志がやっている「話を短くする」トレーニング
説明がわかりにくいといわれる、あるいは説明を最後まで聞いてもらえない人の話には、ひとつの共通点があります。
それは「話が長い」ということです。
前項でお話したように、そもそも人の話を聞くのは相手にストレスを与えることにほかなりません。であれば、説明や話は、必要以上に長くしてはいけないのです。
では、なぜ説明がヘタな人は話が長くなってしまうのか。それは、「自分が話すことをきちんと整理できていない」からです。自分が話したいことの要点や筋道をしっかり整理できていれば、自然と「話さないといけないこと」「話さなくてもいいこと」がわかります。
そうすると、相手の知識や場面に応じて、自分の説明を長くすることも、短くすることも自由にできるようになります。これができるのが「説明のうまい人」なのです。
紙芝居化することで話の要点をつかむ
話の内容を整理するトレーニングとして効果的なのが「既存の物語を紙芝居化する」というものです。これもダウンタウンの松本人志さんがお話していたことです。
たとえば、童話の「桃太郎」を5枚の紙芝居にしなさいといわれたら、みなさんはどのシーンを選んで5枚にまとめるでしょうか。たとえば私だったら、次のような5枚にしてみます。
【1】おばあさんが川で大きな桃をひろう
【2】桃のなかから男の子が生まれる
【3】成長した男の子が旅に出かける
【4】犬、猿、雉と出会い、ともに旅をする
【5】鬼を退治して宝を手に入れる
これができたら、次はさらにこの内容を「3枚」にまとめてみましょう。
その場合、私だったらこんな3枚になります。
【1】桃のなかから男の子が生まれる
【2】犬・猿・雉と出会い、ともに旅をする
【3】鬼を退治して宝を手に入れる
この要約のしかたに、とくに正解はありません。人によってはいちばん伝えたいところが異なるからです。たとえば、「どうしても鬼と戦うシーン」と「最後に宝を手に入れるシーンは分けたい」のであれば、それでもOKです。
もちろん、童話でなくてもかまいません。たとえば、おもしろかった小説や映画のあらすじを、同じように5枚の紙芝居にまとめようとするのもいいでしょう。
こうしたトレーニングを通じて「話の要点」をつかむことができると、自分の話したい内容でも「話すべき箇所」と「話さなくてもいい箇所」が区別できます。すると、必要に応じて話を短くすることができるのです。