というのは、歩き方や座り方、掃除や洗濯など家事をするときの姿勢、荷物の持ち方などといった間違った姿勢で、どんどん筋肉に負担がかかっている状態です。特に、腰痛に悩まされている方は、日常的に腰に負担がかかりやすい動作をしている可能性が高いので、夜には付着部筋が硬くなっている可能性があります。

そこで、付着部筋が悲鳴を上げている朝、1日の負担が溜まっている夜と、腰痛を引き起こしたり悪化させたりする危険性のある時間(デンジャラスタイム)を避けるようにほぐしてあげることが重要です。

腰痛を改善する筋肉のほぐし方

それでは、具体的に付着部筋をほぐしていきましょう。目が覚めて起き上がる前にベッドの上で、寝る前にベッドの上で、できるだけ楽にそして忘れないように、私が考えてつくった「ほぐすトレッチ」というものがあります。

佐々木政幸『1日90秒! 腰痛を自分で治すすごい方法 結局、腰痛は「ほぐし方」が9割』(アスコム)

おすすめしているストレッチは3つで構成されているのですが、そのなかでも今回は「お尻ふりふりほぐし」をご紹介できればと思います。この「お尻ふりふりほぐし」は、朝、布団から起き上がる前にやっていただくストレッチです。

このストレッチでは、中殿筋ちゅうでんきんというお尻の筋肉をほぐします。

お尻の筋肉というと、あまり腰痛と関係がなさそうに思えます。

しかし、中殿筋は骨盤と股関節を結ぶ筋肉となっており、歩くときや立つときに左右から骨盤を支え、下半身を安定させるとともに、上半身のバランスを取る重要な役割を果たします。

このストレッチを通して中殿筋をほぐすことで、固まった筋肉の無駄な力が抜けて、体を支える力回復してくれる(=腰の痛みが出にくい体にしてくれる)という効果が期待できるのです。

ではさっそく、やっていきましょう。

「お尻ふりふりほぐし」のやり方
【STEP1】四つんばいになる……布団に両手と両膝をついて四つんばいになります。
【STEP2】膝を折り、うずくまるような形をとる……続いて、膝を折ってうずくまりましょう。
【STEP3】左右にお尻をずらすように8秒間振る……膝が布団から浮かないように意識しながら、左右にお尻をずらすようにゆっくりと8秒間振ります。

「頑張らない」ということを頑張る

おそらく、「え? こんなので腰痛が治るの?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。しかし、これくらいゆるやかなもののほうが、腰痛持ちの方にとっては適切なストレッチになるのです。

とはいえ、痛みの程度は方それぞれ。毎日のストレッチが「簡単だ!」と感じる方もいれば、「やっぱり痛いし難しい……」と感じる方もいるでしょう。でも、できなくても問題ありません。大切なのは少しずつでも続けること。「できるものをできるときだけやる」ということを継続すれば、徐々に効果が表れます。ぜひ気軽な気持ちで、優しく付着部筋をほぐしてみてください。

関連記事
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"
日本人は「イスの座り方」を誤解している…腰痛リスクを遠ざける「正しい座り方」のコツ
「髪が薄くなったから髪を食べよう」とは思わないのに…「膝の痛みにグルコサミン」は信じてしまう人が多いワケ
「膣から子宮が垂れ下がる、ジャンプで尿が漏れる」中高年の約5割が悩む"膣まわり"の老化トラブル回避法
ジム通いはしない、夕食では毎晩1本の白ワイン…糖尿病の名医が実践する「運動と食事」の絶対ルール