古くなって硬くなってしまったゴムをイメージしてみてください。本来ならしっかりと伸び縮みするゴムも、時間が経って使っていないうちに硬くなってきますよね。すると、ちょっと伸ばそうとしただけでもちぎれてしまいます。

男性の腰をマッサージする理学療法士
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筋肉も同じです。硬くなってしまった筋肉を動かすと、ちぎれることまではないかもしれませんが、筋肉が傷ついてしまうのです。つまり、頻繁に腰痛になる人は、腰の筋肉が硬いまま過ごしていることが考えられます。

大谷翔平選手の筋肉は驚くほど柔らかい

現在、メジャーリーグで活躍されている大谷翔平選手は、とんでもないほど柔らかい筋肉の持ち主です。1つ実験をして、大谷翔平選手の凄さを実感してみましょう。

手の甲を腰に当てた状態のまま、肩甲骨まわりを動かすように、肘を前に出してみてください。どれくらい前に出せましたか?

大谷選手は、手の甲を腰に当てた状態で、両肘を真正面に向けることができるのだそうです。それだけ、肩甲骨まわりの筋肉が非常に柔らかいのです。

スポーツは、日常ではありえない動きを求められることが多く、非常に筋肉に負担がかかります。しかし、筋肉の柔らかさがあるからこそ、二刀流という、筋肉に尋常ではない負荷のかかることを行えてきたのではないでしょうか。

プロの世界とは違う、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、筋肉が柔らかくなると、しなやかな動きができるようになったり、ケガをしにくくなったりするのは、どんな方にも当てはまることです。

ただほぐせばいいわけではない

筋肉の柔軟性が大切なら、柔軟体操をすればいいのではと思った方もいるのではないでしょうか? これは、確かに正解ですが、ただほぐせばOKというわけではありません。ほぐし方にもポイントがあります。

例えば、よくストレッチで「痛気持ちいいくらい伸ばす」などといいます。少し刺激が強いほうが、効いている感じがする! と思っている方は少なくないです。しかし、「痛気持ちいいくらい伸ばす」は腰痛をお持ちの方にとって、かなり危険です。

頻繁に腰痛を繰り返す方は、筋肉が常日ごろから硬い状態である可能性が非常に高いです。そんな方たちが、この筋肉を伸ばす柔軟体操をすると、筋肉を痛めてしまう可能性があるのです。

ストレッチにおいて、もっとも意識するべきは、「いかに力を抜くか」です。ストレッチというと、どうしても「伸ばす」ということを意識します。

確かに伸ばすことも大切なのですが、それよりも意識してほしいのは、凝り固まった筋肉を「ほぐす」「緩ませる」ということです。力を抜いてリラックスし、反動はつけずにゆっくりじっくりストレッチを行うことが重要になってきます。