立てた論点を分解して具体的な影響を詳らかにする

とすると、どういうステップでモノゴトを考えていけばよいか? 論点を立て、さらに、それをどう分解すればよいかといえば、こうなるのです。

(X) セブン‐イレブンがコインランドリー事業に参入した場合の課題は何か?

(A) セブン‐イレブンはコインランドリーをどのような形態で、提供していくのか? 具体的には、併設/2階スペースなどを活用していくのか?

(B) 仮に併設などによりコンビニとセットで提供された場合、「コンビニ生態系」はどのように崩れる/変化するのか?

(C) 上記の変化のうち、ネガティブなもの、特に、解決できない変化、課題になり得る変化は何か?

となります。

戦略思考のパターンを暗記しておけばすぐに回答を導ける

皆さんも想像してみてください。会議室で、役員から

「既存事業が安定してきた。ので、にじみ出た新規事業として、こんなことをしようということになったのだが、課題を考えてみてほしい。」

と、こういう感じのお題が来たら、その瞬間、皆さんは心の中で、

「はい、はい、はい。あれですね、この間学んだ、『セブンのコインランドリー参入問題』を暗記したから、それをベースに少し変えればいいだけだね」と思い出したうえで、即座に発言すればいいのだ。

「なるほど。その新規事業だと最初のうちは少なからず、既存事業が軸足で、その新規事業も既存事業をより確固たる存在にするもの。

だから、論点としては、既存事業への影響に重きを置いて考えるべきですよね。だから、そもそも、新規事業はどのようなサービス提供を行うのか? を確認したうえで、既存事業が作り出しているビジネスモデル、ブランドも含めた生態系にどう影響するか? を詳らかにして、その後、それをプラスの影響・マイナスの影響、解決可能・解決できなそうという2軸で分類してみたらいいですよね」

と高らかに発言すればいいだけだ。これぞ、戦略思考。

これこそが、僕が皆さんに起こしてほしい変化であり、だからこその「暗記する」戦略思考なのだ。こうやって役員に対してスルスルと答えられれば、実にセクシーですよね。

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