ソフトはもちろんハードもアップグレード可能
車がウェブとつながるコネクテッド・カーの時代にあっては、車載ソフトのアップグレードについても、すでにさまざまなところで試みが広がっている。これらについては海外の自動車メーカーなどが先行していることも少なくない。
そのなかにあってKINTOが着目したのは、現在の自動車の衝突安全性などの技術が日進月歩の状態にあることである。たとえば、衝突被害軽減ブレーキは、直前の走行車への対応から、人や自転車の感知、夜間の対応、緩やかなカーブや右左折時の状況への対処と、次々に進化が続く。他にも後側方エリアの急接近してくる車両をレーダーで検知する安全機能もあるが、新たなセンサーの搭載など、ハード面でのアップグレードも必要になってくる。プリウスUグレードは、これらのソフトとハードのアップグレードを見越した仕様となっている。
KINTOは、利用をはじめた後でも、この技術進化を車に取り入れ、その残存価値を高めるという課題に取り組んでいる。この取り組みはSDGsにも貢献するわけで、経済性だけではなく、社会性も高い取り組みだといえる。
メンテナンスの最適化で残存価値を向上
加えて、KINTOはコネクテッド・カーの特性を活用することでも、コストを削減しながら残存価値を向上させようとしている。たとえば、エンジンオイルなどについては、従前は走行距離や利用月数などを目安に交換を行っていた。しかし、エンジンの稼働状況などを日々モニターすることで、ベストのタイミングでオイルの交換を行うことができるようになる。そしてその結果として、交換の頻度を従前より減らすことができる場合が少なからずある。逆に、必要な場合は前倒しでオイル交換を行うことで、エンジンの劣化を防止できる。
自動車を利用する際には、各種のメンテナンスが必要になる。そして車という商品では中古市場が発達している。維持をきっちりと行っていれば、利用を終了する際の車の価値を高めることができる。KINTOは、こうした従前は車のオーナー任せだった問題を引き受けながら、車の残存価値を高めていくことで、車のサブスクの料金引き下げを実現している。