男性は生前、体重900キロのこのカバが「ちょっとだけ危険」であると認めつつ、「誰にも危害を加えないと心の底から信じている」と信頼を寄せていた。しかしある日、男性は川の中で死んだ状態で発見される。身体には、カバに噛まれた無数の痕が残されていた。

アフリカ南部のジンバブエ共和国では昨夏、2人の漁師がカバに襲われた。英ミラー紙が報じている。漁師たちは入り江へとカヌーを進めていたところ、カバの怒りを買ったようだ。偶然現場付近に居合わせたイギリス人観光客は、「そして突如として水面からカバが現れ、前へと突進し、大きな水しぶきが上がったのです」と語る。

カヌーは噛みつかれ、片側が大破した。カバはなおもカヌーの側を離れず、船体を揺さぶったり押しやったりする。漁師たちは必死でバランスを取り、カヌーへの浸水を食い止めようとするも、みるみるうちに水かさが増して進むことができない。目撃した観光客は、ボートの浸水が始まった瞬間、漁師たちの顔に「恐怖が見えた」と語る。

写真=iStock.com/Delpixart
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カバは好んで人を襲っているわけではない

漁師にとって唯一の選択肢は、ボートを棄てて危険な水域を横切り、対岸まで泳ぐことだった。現場の川は幅1キロと広大だ。最終的にはほかのボートが救助に駆けつけ、2人は一命を取り留めたという。ワニとカバの住処になっているこの水域で、助かったのは幸運だった。

カバとしても本来は、危険を冒して人間を襲うことはしたくない。人間の生活がカバの生活圏に近接していると、凶暴さを引き出してしまうことがあるようだ。

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