12歳とAIとのチャットのやりとりを再現しよう
「こんにちは! 私はあなたをサポートするAI家庭教師です。あなたが楽しく作文を書けるようお手伝いさせてください。今日はどんなテーマで作文を書きますか?」
というAIの問いに娘さんは、「小学校生活で一番心に残った思い出について、です」と、返す。
「素晴らしいテーマですね! 小学校生活で一番心に残った思い出は、具体的にどのような出来事ですか?」
「いろいろあってわからないです」
「大丈夫です! 一つずつ考えていきましょう。たとえば、友達との楽しい出来事や、先生との思い出……特に印象に残っていることはありますか?」
「6年生の音楽会です」
「素晴らしい思い出ですね! ……どんな演目を披露しましたか? ……どんな役割を?」
「パイレーツオブカリビアンメドレーです。鍵盤ハーモニカを弾きました」
AIは、相手の気持ちをほぐしながら、題材となるイメージを具体的に描けるよう、うまく導いていく。
そばで見ていた小沢さんは、「彼女の目がどんどん輝いていき、気持ちがのめりこんでいくのが、手にとるようにわかった」という。
このセッションは、AIの次のセリフで締めくくられた。
「これまでのお話から、作文のアイデアがたくさん出てきましたね。……鍵盤ハーモニカ演奏の練習過程や成長、……本番の感想など、これらのポイントを中心に作文を書いてみるのはいかがでしょうか?」
娘さんはAIとのセッションを10分ほど続けただけで、すぐに原稿用紙に向かい、やがて600字ほどの作文を完成させた。