赤字対策

桂木さんは、その後も何度か妹と実家に行って、住宅ローンや車のローン、保険関係の書類を探した。

すると、家のローンはまだ1200万円以上残っていること、完済予定年月日が、9年後であることが判明。

さらに、両親が2021年7月ごろに購入した車の契約書が見つかったところ、車自体の代金は450万円ほどなのに、ローンを組むことによって、手数料や利息がかかり、支払総額は500万円を超えることが発覚し、桂木さんは愕然とした。

「父が車椅子生活なので、当時乗っていたコンパクトカーより大きい車に乗り換えたいと言っていたのは聞いていたのですが、高くても250万円程度かと、勝手に思っていました。お金もないのに、なぜそんなに高い車を買う事にしたのか……。ストレスと悩みを増やすばかりの両親です」

桂木さんは妹と夫と相談し、母親に聞いて、要らないと判断した保険を解約し、車は売却。それでも足りない分は、毎月桂木さんと妹で5万円ずつ出すことで、両親の家計を助けることになった。

桂木さんは、「10年前に購入した家を手放してしまえば?」と提案したが、これには妹と夫が反対。多くの場合、住宅を購入すると、団体信用生命保険に入る。住宅ローンを契約した継父は、糖尿病や髄膜炎などで入退院を繰り返し、義足をつけて車椅子で生活しているほどだ。今売却してもローンが残る可能性が高く、賃貸に移れば家賃がかかる。継父が亡くなれば母親のものになる家を、「手放すべきではない」と判断しての反対だった。

「妹と夫は、『削れるところまで支出を削ってから、私たちが負担できる範囲でしてあげる方が良いのでは?』と考えています。夫は、理解して協力してくれていますが、『うちも苦しくなったら、その時はハッキリ無理と言って、考えよう』と言っています」

一方、母親は現在68歳、体重85キロ。

「太りすぎで、運動もしないので、膝と腰が悪く、手術をしたこともあります。現在も痛いみたいで、いつもしんどいと言いますが、そう言って動かないようにしているような気もします」

その後も母親は、もしものためを考えて、桂木さんと妹が残しておいたクレジットカードを勝手に使い、60型の大型テレビを購入してしまったり、いまだに月に一回美容院、2〜3週間に一回エステに通っていたり、自分ではろくに掃除せず、業者への掃除サービス発注をやめないなど、お金を湯水のように使った。

写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

あればあるぶん使い切ってしまうため、ついには両親の年金を妹が管理することになり、10日に1回1万円を渡していたが、継父は継父で、一度の買い物で全部使い切ってしまい、「もうありません。入金よろしくお願いします」という催促の連絡をしてくる始末。妹が「3000円入金しました」とLINEしたところ、「はい、これでも遠慮しています」と返事が来たため、妹は、「ありがとうではなく、これでも遠慮していますって……? は??? やろ?」と憤慨した様子で桂木さんにLINEを送ってきた。

つい先日も、母親が病院代を要求してきたため、妹が渡したところ、後日、病院へ行くというのは嘘で、スーパーでの買い物などに全部使い込んでしまっていたことが発覚し、妹とともに絶句した。