「現実があとからついてくる」ぐらいがちょうどいい
【澤上】面白いねえ。渡部さんの話には「なるほどな」という点がいっぱいある。ようやっているねえ。
渋沢栄一があとで話題になったというのがあったけど、“あとになってエピソードがついてくる”というのが、長期投資の醍醐味なのよ。
時間が経ってから、「おっと、これって俺、確か、3年前に議論していたな」とか、「えー、これは4年前にやってたぞ」と、現実があとからついてくるぐらいが、ちょうどいい。
将来の納得に対して、好奇心も含めて、なんだかんだ、ああだ、こうだと読み込みをしていく。
【渡部】あとから話題になると、嬉しいですよね。
「時間」と「企業の可能性」を味方につける
【澤上】マーケットを追いかけて、うまくサヤを抜こうと考える連中からすれば、一刻も早く買わなければ、となりがち。
ところが我々は違う。価値が高まるのを待つ。なおかつ、暴落を待つ。
暴落が来た! よし、ここでいこうと。
渡部さんは、啓蒙も含めてやっている。すごくいいことだと思うよ。
【渡部】長期投資は、「時間」と「企業の可能性」を味方につけることですから。
【澤上】そう、長期投資は、ずっとしつこく追いかける、しつこくね。
これはいけると思って買うと、どこかの時点で、これまでの不納得が納得に変わるんだよ。
その時は、株価が10倍とか、20倍とか、当たり前。これが長期投資の醍醐味なんだよ。
ちょこちょこ何%を追っかけるなんてのはつまらない。目指すのは、先ほどのトヨタ自動車の18万倍とかなんだよ。