日本の株式市場144年の断面

【澤上篤人】(以下、澤上)このグラフはよくつくったね。明治大学の三和裕美子先生と「I-Oウェルス・アドバイザーズ」の岡本和久さんの「三和・岡本日本株価指数」ができたのが2021年だから、渡部さんのほうが先だね。

【渡部】そうなんですよ。私がこの資料をつくったのは2013年です。

【澤上】これは対数でチャートにしたの?

【渡部】対数でつなげると形が見えてくるみたいな感じなんです。

【澤上】これはすごい。

【渡部】『会社四季報』一冊で見ることができるのは、断面です。私は100冊完全読破して、25年間の断面を見てきたのですが、このチャートは日本の株式市場144年の断面を見ることができるツールなんです。

『会社四季報』は、「歴史」「流れ」を意識して読むと、株式市場が生き物として見えてきます。

「1950年に買ったトヨタ株」どれくらい値上がりしたのか

【渡部】トヨタのチャートもつくりました(図表2)。

証券会社のデータベースから普通にデータを取ると、1971年からになってしまいますが、これは1950年から取っています。

なぜできたかというと、『会社四季報』に85年の歴史があるからです。

『会社四季報』を1ページずつ追いかけていって、株配や株式分割などを全部調整してつなげました。