日経平均の上昇は今後も続くのだろうか。さわかみ投信設立者の澤上篤人さんと複眼経済塾塾長の渡部清二さんは「東京株式取引所が開設された1878年から2022年までの144年間で、日本株は584万倍になっている。今後も日本株は上昇し、数十年後には何百倍に値上がりしている可能性もある」という――。

※本稿は、澤上篤人・渡部清二『本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる』(かや書房)の一部を再編集したものです。

1878年からの144年間で日本株はどれだけ値上がりしたのか

【渡部清二】(以下、渡部)私は長期投資を基本に投資を教えています。図表1を見ていただけますか。

グラフは1878年に東京株式取引所が開設されて以降の日本株の平均株価(戦前は東京株式取引所の平均株価、戦後は日経平均株価)の推移を表しています。

日本株は、1878年9月から戦前のピークである1920年3月までで297倍、戦後は1949年5月から1989年12月のピークまでで225倍にも上昇しています。

戦前と戦後の値上がりを掛け合わせた数字もあります。「三和・岡本株価指数(兜日本株価指数)」によれば、株式の配当リターンを含めると、1878年から2022年までの144年間で、日本株は584万倍にも成長しています。

これは配当などのリターンを含めた数字ですが、配当を除いた数字(戦前の制度を勘案した修正株価)でも、日本株は約60万倍にもなっているのです。

私は「四季報リサーチ」という会社を始める前に、このグラフを一年かけてつくりました。

私は神社検定とか日本史検定を持っているほど、日本の歴史が好きなんです。戦後の株式市場の動きは簡単に勉強できるのですが、戦前についてはよくわからない。

野村證券でも「戦前にも株式市場はあったらしいけれども、具体的なことはわからない」と言われていたので、自分でつくってみました。

戦前には、現在の日本株式市場が目安としている日経平均はなく、東京株式取引所(通称「東株」)の株価を目安としていました。これをすべてチャート化しようと考え、国会図書館でデータをバラバラに取ってきました。増資にともなう新株割当で増加した株数で修正して、計算し、全部自分でつなげました。

このチャートで、日本に株式市場が誕生した1878年9月16日から現在までの株価の推移を知ることができます。