夫と週2、3回はそれぞれ夜に予定を入れワンオペ交代

【福田】最近では、夜の会食の予定を入れ始めたよ。お互いの予定をGoogleカレンダーで共有して、週に2、3回はそれぞれ夜に予定を入れられる枠を持つことに。ワンオペ交代しながら、やりくりしています。祥子ちゃんのところは?

【高橋】夫は最初から育児に積極的で、苦労はなかったけど、唯一気をつけていたのは、「考えていることを伝える」ことかな。子育てに限らず夫婦間のすれ違いって、「本当はもっとこうしてほしい」を口に出さないことから始まると思う。「察してほしい」って言う人がいるけど、それはこちらの怠慢。だって仕事だったら、必ずメンバーにやってほしいことを伝えるわけでしょ。

【福田】やってほしいことを伝えずに、「ここまでやってほしかったのに」とあとから言うのはマネジメント側の落ち度だよね。

【高橋】そう思う。やってほしいこととやったことにギャップが生じたら、「ここまでやってほしかったんだよね」「次はこうしてほしいな」ということを、感情的にならずに伝える。不満は小さなうちに全部伝えるというのは、結婚したときの約束でもあるんだよね。「最近、つらいなと思っていることはない?」「しいていうなら、ここを改善してほしいというところはある?」など、夫から引き出すことも意識してるかな。

【福田】すてき! 小さなうちに刈り取れば、変な水かけ論で疲弊することもないね。

【高橋】なぜかイライラする……! みたいな瞬間もないわけではないので、率直に伝えているよ。たとえば子どもが泣いているとき、「なんで泣いているの?」って夫に聞かれたら「私に聞かれてもわからないから、一緒に考えてほしいんだよね」とか素直に伝えてる(笑)。

【福田】なるほど! 感情をぶつけるというより、自分がどう感じたかを伝えるといいのか。うちもパートナーと喧嘩になるのは、お互いに揚げ足取りになってしまうとき。「今の言葉は悲しかった」みたいな言い方をすると、相手も素直に謝りやすいし、「なぜ悲しくなったのか」という建設的な議論に向かいやすいね。

『プレジデントBaby 0歳からの知育大百科2023』(プレジデント社)

【高橋】不満をためこまないコミュニケーションは会社でも同じで、メンバーとの1on1でも不満を定期的に教えてもらっているよ。

【福田】めっちゃわかる! 子どもを産んで、家族って会社経営みたいだなって思ったの。パートナーは共同経営者。そして、子どもは新入社員。新人のモチベーションを上げて、成長をひとつずつ喜びながら、成果が上がるまでの期間をどうマネジメントしていくか。そういう考えの営みだなと思うと、チームメンバー、上司、部下への接し方にも似ているところはあると思う。

【高橋】そういう意味では、仕事の経験が育児に生きるし、育児の経験が仕事にも生きているよね。