「オプション講座」を受けるより自習したほうがいい

ところが、多くの塾では、夏の後半にオプション講習が設けられている。しかも、オプションとは名ばかりで、ほぼ強制的に受講するよう勧めてくる。単科講習だったり、志望校別の演習講座だったりと塾によって中身はいろいろだが、正直言うと生徒全員に必要不可欠なものというわけではない。

例えば志望校別講座は、開成、麻布といった難関校を志望している場合はそれに対応した冠コースが用意されているが、それ以下の学校を目指す場合は十把一絡げになっていて、入試対策に直接つながるものではないからだ。また、冠コースの場合でも、今の段階で入試対策ができるまでの力を持っている子はほんの一握り。その他大勢の子は単に志望しているだけで、まだまだその講座を受けるだけの力を備えておらず、「講習を受けてみたけどさっぱり分からなかった」とかえって自信をなくしていることも多い。

それならば、「受けない」選択をするほうが賢明だ。代わりに、その1週間を苦手単元の克服や、前半の講習内容の見直しをする時間に充てるべきだ。

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「頑張っているのに…」疲労感が募りやすいオプション講座

6年生の夏の講習は、演習と解説のくり返しだ。ただ、あらかじめカリキュラムに組み込まれている前半の夏期講習と、後半のオプション講座とでは、その中身は異なる。前半の講習は1つの単元の問題を解かせたら解説をし、次は別の単元の問題を解かせるという流れで、約10分間隔でいろいろな問題に触れていく。そのため、自分はどの単元が苦手であるかが把握しやすい。それが克服できれば、得点力は確実に上がっていくだろう。ところが、すぐに後半の講習が始まってしまうので、知識の整理や苦手克服ができないまま先に進むことになる。

一方、後半のオプション講座は、あらゆる単元がミックスされた入試に近い状態の問題を40分くらいかけて解かせ、最後にざっと解説をするという流れになる。その中には当然、苦手な単元が1つ、2つと含まれているので、夏休み中、毎日頑張って塾に通っているのに得点力につながらないという現実を突きつけられ、疲労感だけが募っていく。

だからこそ、この1週間を有意義なものにしてほしい。