「共感」で信頼関係を貯金する

人は誰もが「認められたい」「所属したい」

2つめが「共感」です。

コミュニケーション、たとえば、人とどうしたら仲良くなれるか、理解し合えるかを研究する中で、つくづく感じるのが、人はやはり「動物」であるということです。

進化はしたけれど、根本的なところで、「群れをつくり、身を守ってきた」長い歴史があるのです。だからこそ「人に認められたい」「群れに所属したい」という強い欲求を持っています。その共同体感覚を醸成するのが「共感」です。

自分の気持ちをわかってくれて、理解してくれて、認めてくれる、そんな人に心を開きたくなりますよね。感情を共有する「共感」は、相手の信頼を獲得するのには非常に重要なステップです。

男性に「雑談や会話が不得手」という人が多い理由のひとつに、この「共感」が苦手であるということが挙げられます。自分の感情を認めたり表現したりするのに躊躇ちゅうちょする人が、とても多いのです。

喫茶店やレストランに行って、女性同士の会話を聞いてみてください。「かわいいね~」「ひどい」「許せない」「かわいそう」「わかる!」「私も!」……。

共感言葉のオンパレード。そうやって、お互いに共感し合い、「自分の気持ちをわかってくれた」と気持ちよく、雑談が進んでいくのです。

× そんなことで悩んでも仕方ないよ

と言われるより、

○ そうだよね。大変だよね。つらいよね

と声をかけてもらえるほうが、「自分のことをわかってもらえた」と思いますよね。

写真=iStock.com/vadimguzhva
※写真はイメージです

「共感」して、相手の気持ちに寄り添う

「共感」は「ほめる」の大切な要素です。

「親身になって、誰かが自分のことを考え、寄り添ってくれている」と感じることほど、嬉しいことはないからです。


嬉しいよね
感動したよね
わかるよ
忙しいのに、大変だったんじゃない?
難しかったんじゃない?

と相手の気持ちに寄り添う。同時に、相手のポジティブな行動によって生じた自分の気持ちを伝えてみましょう。