「100点とってえらい!」にはリスクもある

・思わず言ってしまう言葉
わぁ100点すごいじゃない!

・子供に届く言葉
今回は計算を全問きっちり仕上げたね。毎朝ドリルをがんばった成果だよ!

・小川先生のひと言
結果ではなく「プロセス」をほめるのが大原則です。

子どもの成績がいいと親はうれしいものです。また、「ほめる子育てがいい」という最近の風潮から、できるだけほめて伸ばそうとしている親御さんも多いことでしょう。そこで、「100点とってえらいね!」「リレーで1位、すごいね!」と親の気持ちをストレートに伝えがちです。ただし、これはほめ方としては少し惜しいところがあります。

どんなに優秀な子でも、常に100点を取り続けるのは大変なこと。調子のいいときも悪いときもあり、いつも良い結果を出せるとは限りません。結果だけをほめると、思うような結果が出なかったときにマイナスの効果を生み出してしまう危険性があります。

たとえば、敏感なお子さんだと「こんな点数ではお母さんががっかりしてしまう」「100点が取れなかったわたしはダメな子だ……」とひどく落ち込んでしまうことも。ほめて伸ばすつもりが、かえって子どもの自信を奪ってしまっては本末転倒です。人を伸ばす「ほめポイント」は、結果ではなくプロセスが鉄則。

同じいい成績を取って、「100点とってえらい!」と結果をほめられるのと、「今回は計算を全問きっちり仕上げたね。毎朝ドリルをがんばった成果が出たね!」「字がていねいに書けたから、漢字が全問正解だったね!」などと結果につながる行動をほめるのとでは、どちらが子どもに響くでしょう。

写真=iStock.com/taka4332
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「100点取れるまでがんばれる」ことをほめるべき

前者がほめているのは「100点を取れる私」ですが、後者は「100点を取れるまでがんばれる私」をほめています。同じ100点でも、受け止め方はまったく違います。つまり、前者は90点を取った瞬間に「100点を取れる私」ではなくなってしまい、「私」という存在が消えてしまいます。

それに対して、後者はずっと「またがんばれる私」なので、「次はもっとがんばろう」と気持ちを切り替えればいい。結果だけを見て一喜一憂するのではなく、お子さんの努力の足跡やその結果を生み出す前に取り組んでいたことに目を向け、そこをたくさんほめてあげましょう。