「醸造酒」と「蒸留酒」、肝脂肪のリスクが高いのはどちらか
お酒にも、糖質が多い種類と少ない種類があります。糖質が少ないほうが、肝臓には優しいお酒です。
糖質が多いお酒には、梅酒などの果実酒のほか、紹興酒、日本酒、発泡酒、ビール、ワインなどがあります。いわゆる「醸造酒」です。逆に、焼酎、ウイスキー、ブランデー、泡盛、ウオッカ、ジン、ラム、テキーラなどの「蒸留酒」には、糖質が含まれていません。そのため、蒸留酒の方が脂肪肝のリスクが小さくなると考えられます。もちろんアルコール自体にリスクがあることも忘れてはいけません。
一回に数種類のお酒を飲むつもりなら、アルコール度数の低いお酒から飲み始めるといいでしょう。「とりあえずビール!」はその点、理にかなっているということです。
ですが、ビールは糖質が多いので、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールなどを「とりあえず!」に採用するのがおすすめです。なお、ウイスキーをストレートで飲むときなどに「チェイサー」としてお水が供されますが、ウイスキーに限らず、お酒の合間にはお水を飲むといいでしょう。
なぜなら、お酒を飲むと体内の水分量が足りなくなりがちだからです。その原因の一つは、アルコールに利尿作用があること。もう一つはアルコールの分解に体内の水分が使われるからです。お酒の合間にお水を飲めば、減ってしまった水分を補給することができます。
お水を飲めば、アルコールが薄められるばかりでなく、お酒を飲む量を抑える効果もあります。
肝臓を守る「酒の肴」の基本はこれだ
空腹なままお酒だけを飲むと、アルコールの吸収が早いので、アルコールの解毒作用にいそしんでいる肝臓に負担をかけます。ですから、お酒を飲むときには、何か「酒の肴」になるものを食べてください。
肝臓がアルコールを分解するときには、タンパク質、ビタミン、ミネラルが使われるので、補充する意味でも、そういう栄養素をたくさん含んでいる食品がいいでしょう。一言で表せば「高タンパク・高ビタミン・低糖質」です。
具体的にいえば、豆腐、枝豆がおすすめです。さらには野菜、キノコ類、果物、魚介類、脂身の少ない肉、ナッツ類、チーズなども合格です。ただし、カロリーオーバーは避けましょう。
お酒の席でも、栄養のバランスを考える癖をつけてください。
とはいえ、いちいち「これには、どんな栄養素がいいのか」などと考えるのはめんどうかもしれません。そういう人は、大豆のような豆製品、チーズのような乳製品、魚や脂身の少ない肉など、タンパク源になりそうなものをまず食べてください。
そして、野菜など、ビタミンを含んでいそうなものも、忘れずに食べます。野菜なら「レタスよりもブロッコリー」などと、色の濃いものを選びましょう。
いろいろな色を食べれば、自然にバランスがとれていくものです。