ナットウキナーゼで「血液サラサラ」に

納豆には「骨の健康維持」と「血液サラサラ」という効果もある。

管理栄養士で老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子氏

管理栄養士で老舗料亭「菊乃井」常務取締役の堀知佐子氏がこう話す。

「納豆には骨を丈夫にするカルシウムだけでなく、カルシウムが骨に沈着するのを助けるビタミンKも含まれます。ビタミンKには緑色野菜に含まれるK1と、納豆に含まれるK2がありますが、骨に役立つのは圧倒的にK2。これは納豆にしかないのです」

血液サラサラのほうの正体は、ナットウキナーゼという酵素。納豆は蒸された大豆が納豆菌によって発酵することでできるが、この発酵過程で生成されるのがナットウキナーゼで、血中にできた血栓に働きかけ溶解する作用、血栓をできにくくする成分を増やす作用、降圧効果ももつ。

こういったナットウキナーゼの効果を求めるなら、夕食に取るのがお勧めだ。明け方は体内の水分が少なくなるので血栓ができやすく、心筋梗塞や脳卒中の発症率が高いため予防になるだろう。

「ナットウキナーゼの効果は8時間程度持続することが複数の研究からわかっていますので明け方まで効果が持続します。また納豆にはアルギニンというアミノ酸が多く含まれます。これは就寝時に多く放出される成長ホルモンの分泌を促進してくれるため、夕食に納豆を食べれば成長ホルモンの分泌によって細胞の修復がスムーズに進むなど、アンチエイジング的な働きも期待できます」(望月氏)

薬味として「ネギ」を添えるとさらにいい

もちろん朝食に食べるのがNGなわけではない。特に冷え性の人が朝に納豆を食べると、良質なタンパク質の力によって体温上昇がスムーズに進むというメリットがある。

ここまで納豆の栄養価を挙げてきたが、不足はないのだろうか? 岸村氏は「ビタミンCとビタミンB12が含まれていない」と指摘する。

「ビタミンB12は動物性の食品にしかほとんどなく、不足すると悪性貧血になってしまいます。ですから植物性の納豆だけでなく、肉や魚介類も偏らずに食べたほうがいいですね。またリジンというアミノ酸が米に少ないのですが、これは納豆と一緒に食べることで補えます」

望月氏は薬味としてネギを添えることを勧める。

「ネギに含まれるアリシンが、納豆に豊富なビタミンB1の吸収を高め、疲労回復に働きます」

ネギには納豆にないビタミンCが含まれるため一石二鳥だ。

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