悠仁さまにまで容赦ないバッシング

学習院は皇族に特別の配慮をしてもいいのに、他の学校では「お立場に配慮した」と噂が出るだけでも、まだ高校生である悠仁さまにまで、許されないといわんばかりに容赦ないバッシングが行われている。

燕尾形御正服姿の明治天皇(明治5年4月、内田九一撮影)(写真=『明治天皇の大日本帝国』より/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

たしかに、学習院はかつて皇族・華族のための教育機関だったが、いまの学習院は法的にも他の学校と同じであるから、これはおかしい。とくに、元木氏が冒頭に紹介した記事で以下のように悠仁さまの容姿まで揶揄されているのは理解に苦しむ。

「(悠仁さまに)失礼ないい方になるが“ひ弱”な感じがしてならない。将来、天皇になるという“重圧”に耐えられるのか。いらぬおせっかいだろうが、いささか心配になる」

明治天皇や昭和天皇など近代皇室の男子は痩せ型で少し猫背気味だが、体幹がしっかりして筋力もある方が多い。それが、偉躯堂堂とした欧州君主とはひと味違った温かみを醸し出してきた。悠仁さまはそのDNAが引き継がれているだけだ。

完璧な美智子さまと比べられた雅子さま

元木氏も指摘しているように、雅子さまへの好感度が一貫して紀子さまより高かったわけではない。とくに、2004年に皇太子殿下(現天皇)が記者会見で、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実」とおっしゃられた「人格否定発言」のあとは非難轟々だった。

また、2004年に適応障害と公表され、公務が困難になって風当たりが強くなったときに、雅子さまシンパの人が「原因は皇室側にある」と主張したのが反発を招いた。

こうした雅子さまへの批判は、いずれも美智子さまとの比較でなされたものだ。いつの時代も皇后陛下は不可侵なのである。英国でカミラ王妃よりキャサリン妃のほうが過大評価といっていいほど褒められているのは、カミラ王妃がチャールズ国王を故ダイアナ妃から「略奪」した過去があって不人気だからで、こうしたケースは異例だ。

もちろん、美智子さまが完全無欠であろうはずもない。美智子さまに欠点があるとすれば、完璧主義者であることだ。あまりにもよくできておられるからこそ、些細な批判にも心を痛められて体調を崩されることがあり、いつしか礼賛しかできなくなり、それが雅子さまへの相対的な低評価につながった。

美智子さまと比べられる雅子さまが気の毒だという話は、宮内庁関係者や政府首脳など内情を知る人からもよく聞いた。