キャリアウーマンから良妻賢母路線への反発

紀子さまは美智子さまと同じように典型的な、良妻賢母である。就職せずに結婚し、舅・姑である上皇陛下と美智子さまによく仕え、一男二女を皇室にもたらし、健康、受験、お稽古事、公務への真摯しんしな姿勢など、いずれにおいても成功した教育ママである。

ただ、この路線は、キャリアウーマンとか婚家に縛られない生き方指向の女性たちにとっては怨嗟の的である。

彼女たちは、大学卒業後、本格的な仕事をすることだけが正しい生き方だと、専業主婦を少し馬鹿にする傾向がある。舅・姑や婚家に過度の配慮はするのは嫌いだ。息子の進学に熱心すぎるのは教育ハラスメントだという考え方も流行だ。

また、紀子さまが録画を見ながら、身振り手振りや話し方まで、美智子さまを真似ているという噂を聞いて、「姑の真似して媚びる嫁なんぞ許せない」となる。本当は、彼女たちは美智子さまについても良妻賢母路線にすり寄ったとして批判的なのだが、美智子さまへの批判は憚られるので、紀子さまがスケープゴートにされているのだ。

さらには、男子誕生を期待する婚家のために39歳にもなって子供を産んだのも、不愉快と受け止められている。

それに対して、雅子さまが、子供より海外訪問を優先させたいという希望を持たれて上皇両陛下と意見が合わないと報じられたときや、美智子さまなどより実家の両親と頻繁に会い、2006年にテーマパークを一部貸し切りって妹一家と一緒に楽しんだことが批判されたときも、「よくぞ権利を主張してあっぱれ」といわんばかりに彼女たちは応援した。

学習院OBが許さない「学習院離れ」

眞子さんも佳子さまは高校まで学習院だが、眞子さんは直接、佳子さまはいったん学習院大学に進まれたのちICUに移られた。本人の希望の大学で学ぶことに問題ないはずだが、学習院は評判を落とした。

学習院大学正門
学習院大学正門(写真=momoishi/CC-Zero/Wikimedia Commons

さらに、悠仁さまは、幼稚園からお茶の水女子大学附属で、高校は筑波大学附属に進まれたが、学習院OBらの反発は強い。秋篠宮両殿下が熟慮され、本人の意思も尊重して決めたのだから、批判される理由はないし、私は学習院より好ましい選択だと思う。

美智子さまや雅子さまは、自分が学習院出身でないので、OBの反発を避けて子供たちを学習院で学ばせた面があるが、学習院出身の紀子さまは、そんな配慮をされる立場にないだけだ。

*「なぜ秋篠宮家は『アンチ学習院』なのか…何人もの皇族方が通ったという伝統と実績を無視した本当の理由」という藤原志穂子さんの記事では「皇族方を受け入れてきた蓄積とノウハウは、他校にはないものです」「受け入れ態勢のない学校が、その準備にかける負担も並大抵のことではないでしょう。そうした周囲を慮る気持ちは、秋篠宮家にどのくらいあったのでしょうか」と批判的に書いている。しかし、皇位継承者が学習院で学んだのは半世紀前の陛下のときが最後である一方、これまで悠仁さまが在籍されていたお茶の水女子大附属と筑波大附属はよく似たルーツを持ち、しかも提携校進学制度があり、ノウハウもバトンタッチが容易である。地理的にも近隣で、幼稚園から行われてきた悠仁さまの警備体制をそのまま継続できるのだから、はるかに合理的だ。