空前のサウナブームが起きている2つの理由

なぜいま、サウナブームが起きているのでしょうか?

その理由のひとつは、気軽にサウナを楽しめる環境が整ってきた……ということがあるでしょう。

旧来のサウナ施設や健康ランド、カプセルホテル、銭湯などだけでなく、スーパー銭湯やホテル、スポーツジムなど、いまは身近な各所にサウナが併設されています。

また、貸し切りにできるサウナ施設やサウナメインのスパ、アウトドアでも楽しめるテントサウナなど、新たなバリエーションも増えています。

もうひとつの理由は、現代人が強く求めているから……ということにほかなりません。

それはもちろん、2019年末から流行した新型コロナウイルス感染症の存在も無縁ではないでしょう。

数年にわたりコロナに置かれたことによって、ストレスを感じることがより多くなり、私たちの心と体が「気持ちいい」という感覚を求めているのです。

後述しますが、私たちが「気持ちいい」と感じることには、自律神経の働きや腸から脳への指令伝達などが深く関与しているのです。

サウナには免疫力を向上させる効果も期待できるため、感染症対策のために私たちの体がサウナを求めている……というのはやや飛躍し過ぎかもしれませんが、近い将来そのようなエビデンスが発表されるという推測も、夢物語ではないかもしれません。

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サウナがさびついた自律神経のスイッチを動かす

自律神経とは私たちの意識とは無関係に働き続ける神経のことで、主に血管に沿って全身に張りめぐらされ、脳と各臓器とをつないでいます。

この自律神経が正常に働くからこそ、私たちは生きていける……いわば「生命維持装置」となる神経です。

たとえば、私たちの意識が及ばない睡眠中であっても、心臓は止まることなく鼓動(こどう)し続けていますし、その他すべての臓器も働き続けています。

24時間365日、私たちがあれこれ意識しなくても、自律神経が黙々と働き続けてくれるおかげで生命活動は維持されるのです。

この自律神経のバランスが崩れると、当然私たちの体にさまざまな不調が現れます。

いろいろな要因によって乱れがちな自律神経ですが、そのバランスを整えるために、サウナは大変有効なのです。

高温のサウナで体を温め、すぐに水風呂や水シャワー、外気浴によって体を冷やす……この急激な温度差によって、自律神経に適度な刺激を与えることができます。

このとき、血管は一度ギュッと収縮してからすぐに拡張されるため、肉体疲労やさまざまなストレスによってとどこおりがちな血流がスーッと流れ出します。

複数回、サウナに入ることで、体を「温める→冷やす」がくり返されるため、血液の流れがスムーズになり、多くの不調が改善されて体の調子がよくなる……これが「ととのう」と呼ばれる現象の正体なのです。

私たちの体調は、血流の良し悪しによって大きく左右されます。その血液の流れをコントロールしているものこそが自律神経です。

肉体疲労や日々のストレスによって自律神経がさびついてしまった状態では、体の不調は改善されないまま蓄積し、思わぬ大病に陥おちいるリスクが増大してしまいます。

せっかくのサウナブームの到来です。

ぜひ、みなさんもお近くのサウナを上手に活用して、自律神経のさびを落とし、血流がアップするスイッチをONにしましょう。