老後に打撃が大きい想定外の支出

老後資金を目減りさせる想定外の出費が「特別支出」です。一年中、毎月イベントがあります。その度に貯蓄から取り崩していたら老後資金が目減りし、医療や介護が必要になったときにお金が足りない、などということも起こり得ます。

井戸美枝『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)

まず一年での「特別支出」を見てみますと、1月はお正月で孫たちへのお年玉、実家がある人は帰省の費用がかかります。5月はゴールデンウイークの旅行。その後も、7月はお中元、夏休み、11月はお歳暮、12月はクリスマス。その間、家族の誕生日、親戚の結婚式やお葬式などの冠婚葬祭も突然やってきます。

このほかにも数年に一度、家電や車の買い替えがあり、これが大きな支出になります。

家電の買い替えはある程度、時期を想定して、予算として見積もっておく必要があります。また、車を買い替えるときは、普通車から軽自動車にするといったことだけでなく、年齢的に車の運転が危ないと思ったら思い切って車を手放すことも選択肢のひとつです。

そうすれば、自動車税や保険、車検、駐車場やガソリンなどの支出がすべてなくなるので、コストカットの効果は絶大です。

このほか、家族の誕生日や記念日の食事会、バレンタインデーの贈り物などは、少しずつやめるようにしていき、老後の生活そのものをシンプルにしていくことが大切です。

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