東京に流入する「チャイナマネー」
バブル期の1980年代には、欧米系マネーが日本に流れこんだこともあります。
しかし、当時の日本の不動産市場には、反社勢力との関係や、地上げの問題など、さまざまな問題がありました。そのため「日本の不動産はややこしい世界」と見られてしまい、欧米のマネーが逃げてしまったのです。
その後も欧米のマネーは戻ってきていません。日本の不動産市場はデジタル対応で遅れています。アメリカではスマホで不動産の契約まで可能なので、そういう意味でも日本の不動産に魅力を感じないのかもしれません。
東京の不動産に投資しているのは、アジア系、特に中国系の富裕層がほとんどです。
前述の「ABEMA Prime」でも、中国人向け不動産会社の方が証言していましたが、中国では不動産を所有しても、数十年で返却しなければなりません。なので、本当の意味で所有できるのは外国の土地だけです。
中でも日本は金利が低く、不動産の価格が比較的安いので、不動産投資で利益を上げやすい環境です。
東京の不動産はまだまだ安い
冒頭でご紹介したように、東京23区の新築マンション価格は上がっています。
しかし世界の都市と比べると、東京の不動産にはまだ上昇の余地があります。
スイスの金融グループであるUBSが、「グローバル不動産バブル指数(UBS Global Real Estate Bubble Index 2022)」という指標を発表しています。
2022年の同指標によると、東京のバブル指数は第9位。前年度より上がっていますが、まだまだ低い位置につけています。
第1位はトロント。以下、フランクフルト、チューリヒと欧米の都市が続き、アジアからは第5位に香港がランクインしています。
また、ハイエンドクラスのマンション価格だと、東京は香港や上海、台北より下にランクされています。
これを見る限り、東京の不動産価格にはまだ上昇余地がありそうです。