東京に拠点を持ちたい中国人富裕層は多い

一方、イギリスや香港だと不動産の価格がかなり高いので、中国人富裕層にとってはリスクが高くなっています。

日本は安全で、人種差別も比較的少なく、街は清潔で、何より食べ物がおいしい。

ビジネスの拠点は香港やシンガポールに置くとしても、東京にも拠点を持ちたいという中国人富裕層はたくさんいます。

渋谷
写真=iStock.com/powerofforever
東京に拠点を持ちたい中国人富裕層は多い(※写真はイメージです)

我々にとって日本は「30年もデフレが続く衰退国家」みたいなイメージが強いですが、海外からの評価は意外と高いのです。

外国人投資家の割合は1割に満たない程度

では、「外国人投資家によって不動産価格が吊り上がっている」は本当でしょうか。

具体的なデータはありませんが、日本の不動産市場で外国人投資家が占める割合は、おおよそ数%程度ではないかと思います。

かつて大手ディベロッパーは、「紳士協定」として、外国人向け販売比率をおおむね数%に抑えていました。

大手ディベロッパーだけが外国人に販売するわけではありませんし、今でも「紳士協定」が守られているかどうかも不明です。

この数字から類推して、日本の不動産市場に占める外国人の割合は、おおよそ1割に満たないくらいだと考えられます。

他の先進国でも、外国人投資家が占める割合は1割程度が一般的という事実もあります。

そもそも、外国人向け販売に取り組んでいる不動産会社は一部に過ぎません。

外国語対応も必要だし、富裕層向けの投資アドバイスも必要なので、対応できる人材が限られるのです。